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公開日:2023.12.26
更新日:2024.10.01
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PFCバランスとは?栄養素の働きや理想のPFCバランスを解説

食事や栄養、ダイエットに関する情報があふれる今、科学的根拠のある正しい情報や自分にとって必要な情報を見極めるのは簡単ではありません。誤った情報に惑わされないために、健康を維持する食生活の基本は「バランスのとれた食事」であることをあらためて確認しておきましょう。

ここでは、バランスの良い食生活を実践するために覚えておきたいPFCバランスの基礎知識や、それぞれの栄養素の働き、理想的なPFCバランスのほか、PFCバランスを整える方法について解説します。

目次

PFCバランスとは、たんぱく質・脂質・炭水化物の摂取比率のこと

PFCバランスとは、人間が生きていくために必要なエネルギーを作る栄養素「Protein(たんぱく質)」「Fat(脂質)」「Carbohydrate(炭水化物)」の頭文字を取った言葉で、それぞれの栄養素からのエネルギー摂取比率のことです。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)では、たんぱく質、脂質、炭水化物(アルコールを含む)とそれらの構成成分が総エネルギー摂取量に占めるべき割合を、「エネルギー産生栄養素バランス」としていますが、ここでは広く使われているPFCバランスという言葉を使って解説します。
まずは、PFCのそれぞれの働きを見ていきましょう。

たんぱく質の働き

たんぱく質はエネルギー産生栄養素のひとつで、動物や生物の体を構成する筋肉、臓器、皮膚、毛髪などの成分を作る働きを担っています。また、ホルモン、酵素、抗体といった体の調整機能を持つ成分を作るのもたんぱく質の重要な役割です。

たんぱく質は20種類のアミノ酸で構成されていますが、このうち「必須アミノ酸」と呼ばれるものは体内で合成することができません。しかし、アミノ酸が1つでも欠けるとたんぱく質が合成されないため、食事からしっかり補う必要があります。
プロテインドリンクやプロテインバーなどはたんぱく質を効率的に摂取できますが、たんぱく質をとりすぎると腎臓に負担がかかるため、量に注意して利用してください。

たんぱく質を多く含む代表的な食品には、以下のようなものがあります。

<たんぱく質を多く含む食品>
・鶏ささみ
・鶏むね肉
・豚ヒレ肉
・牛ヒレ肉
・イカ
・納豆
・卵黄

脂質の働き

脂質は、体内で水分の次に多い成分です。体内でエネルギー源になるほか、皮下脂肪になって寒さや物理的な外的刺激から体を守る働きをしています。
ただし、増えすぎた脂質は内臓脂肪となって内臓の周りに蓄積され、メタボリックシンドロームのリスクを高めるため、摂取量が多すぎても少なすぎても体に悪影響を与えることに注意が必要です。

脂質を多く含む代表的な食品には、以下のようなものがあります。

<脂質を多く含む食品>
・植物油
・バター
・マヨネーズ
・鶏皮
・豚バラ肉
・牛バラ肉
・マグロ(脂身)
・サンマ
・イワシ

脂質については、以下の記事をご覧ください。

脂質とは?脂質の多い食べ物や摂取量の目安、おすすめレシピを紹介

炭水化物の働き

炭水化物は、人が消化吸収できる「糖質」と、消化できない「食物繊維」に分類されます。糖質は消化されてブドウ糖となり、筋肉や脳の働きを助けるエネルギー源として機能します。そのため、極端に糖質を避けるダイエットはおすすめできません。
食物繊維には整腸作用や、余分な脂質・ナトリウムの排出を助ける働きがあります。

炭水化物を多く含む代表的な食品には、以下のようなものがあります。

<炭水化物を多く含む食品>
・ごはん
・麺
・いも(じゃがいも、さつまいも)
・果物(ぶどう、柿)


理想的なPFCバランスとは?

たんぱく質・脂質・炭水化物は、すべて体に必要な栄養である一方、とりすぎると体に悪影響を与える可能性があります。では、それぞれの栄養素をどれくらいとると、理想的なPFCバランスになるのでしょうか。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)では、生活習慣病の発病予防や重症化予防の指標として、「エネルギー産生栄養素バランス」を以下のように示しています。

■エネルギー産生栄養素バランス(18~49歳の男女)

栄養素 割合
たんぱく質 13~20%
脂質 20~30%(飽和脂肪酸は7%以下とする)
炭水化物 50~65%
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版)をもとに作成

PFCバランスの計算方法

FCバランスの重要性と理想的な比率がわかったところで、PFCバランスの良い食生活を実践してみたいと思う人も多いでしょう。たんぱく質、脂質、炭水化物が産生する熱量は、それぞれ1gあたり4kcal、9kcal、4kcalなので、PFCバランスは以下の計算式で求めることができます。

<PFCバランスの計算式>
・たんぱく質(%)=たんぱく質(g)×4(kcal)÷エネルギー摂取量全体(kcal)×100
・脂質(%)=脂質(g)×9(kcal)÷エネルギー摂取量全体(kcal)×100
・炭水化物(%)=炭水化物(g)×4(kcal)÷エネルギー摂取量全体(kcal)×100

例えば、エネルギー摂取量全体が2,000kcalで、たんぱく質を100g、脂質を65g、炭水化物を250g摂取した場合、PFCバランスは以下のようになります。

・たんぱく質:100g×4kcal÷2,000kcal×100=20%
・脂質:65g×9kcal÷2,000kcal×100=29.25%
・炭水化物:250g×4kcal÷2,000kcal×100=50%


PFCバランスを整える方法

PFCバランスを計算したら、実際にPFCバランスを意識した食生活を実践してみましょう。ここからは、実践しやすいPFCバランスの整え方について解説します。

欠食をしない

PFCバランスを整える上で最も重要なのは、欠食をしないことです。下記のような、PFCバランスが良い食事を心掛けるようにしてください。

PFCバランスが良い食事のとり方

・朝食
朝食では、エネルギー源となる糖質と、代謝に必要なたんぱく質をしっかりとりましょう。

・昼食
仕事や勉強、運動などで消費エネルギーが多い昼食は、しっかりエネルギーを補給したいタイミングです。目標とする摂取エネルギー量の範囲内であれば、脂質を少し多めにとっても構いません。野菜もたっぷりとることが重要です。

・夕食
活動量が少なくなる夜は、脂質や糖質をできるだけ控えめにすることが大切です。昼のメインが肉だった場合は、夜は魚や大豆食品にするなど、全体のバランスを調整してください。

特に、朝食の欠食はおすすめできません。私たちの体は、寝ているあいだも臓器を動かしたり、代謝などにエネルギーを使ったりしているため、起床後はエネルギーを作るための栄養素が欠乏しています。

中でも、脳の働きに使われる唯一のエネルギー源であるとされるブドウ糖は、約12時間しか体内に蓄えておくことができません。朝食を欠食すると、前日の夕食から12時間を超えてブドウ糖が供給されず、集中力が落ちたり、イライラしたりして、午前中の仕事や学業の効率が低下します。「朝は忙しいので、食事をとる時間がない」という場合は、簡単なドリンクや果物だけでもとるなど生活リズムを見直して、できるだけ欠食を防ぎましょう。

しかし、3食すべてのPFCバランスを完璧に整えて欠食せずに食べるとなると、心理的なハードルが一気に上がります。PFCバランスは継続が重要なので、「3食全体で、あるいは1週間単位で帳尻を合わせられればOK」くらいの気持ちで取り組んでみてください。
朝ごはんがパンと卵だけで野菜をとれなかった場合は昼と夜で補い、肉を食べすぎた翌日は肉を減らして魚や野菜を増やせば、ある程度のバランスは維持できます。

3食の組み合わせの例をまとめると、以下のようになります。

■PFCバランスが良い食事の例

糖質 たんぱく質・脂質 そのほか
朝食 食パン1枚 ハムエッグ サラダ
昼食 ごはん1杯 豚肉の生姜焼き 付け合わせの野菜、味噌汁
夕食 ごはん1杯 魚の刺し身、豆腐の味噌汁 きゅうりとわかめの酢の物

主食・副菜・主菜をとる

3食を食べていても、食事の内容に偏りがあるとPFCバランスは整いません。「忙しいから、主食だけで済ませる」「摂取エネルギーを抑えたいから、野菜サラダしか食べない」といった食べ方は避け、幅広い食品からさまざまな栄養素をまんべんなくとりましょう。

何を食べればいいかわからない場合は、1食の中で「主食・副菜・主菜」をとるようにすると過不足がなくなります。

・主食
主食は、米やパン、パスタなどの麺類を使った料理です。主に炭水化物の供給源になります。

・副菜
副菜は、野菜、きのこ、いも、海藻を主な材料として使った小鉢やサラダ、汁物などの料理です。主食や主菜でとりきれないビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源になります。

・主菜
主菜は、肉、魚、卵、大豆・大豆製品などを使った料理です。主にたんぱく質の供給源になります。

主食・副菜・主菜のそれぞれをどれだけ食べたら良いかは、厚生労働省と農林水産省が策定した「食事バランスガイド」を参考にしましょう。食事バランスガイドは、毎日の食事を「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」の5つのグループに分類し、目安となる量を示しています。

あまり体を動かさない成人男性と、仕事やスポーツで体を動かしている成人女性の場合、1日の摂取量の目安は以下のようになります。

■1日の食事摂取量の目安(あまり体を動かさない成人男性・仕事やスポーツで体を動かしている成人女性)

食事のグループ 食品の量
主食 ごはん中盛り4杯程度
副菜 野菜料理5皿程度
主菜 肉、魚、卵、大豆料理から3皿程度
牛乳・乳製品 牛乳200ml程度
果物 ミカン2個程度
※厚生労働省・農林水産省の「食事バランスガイド」をもとに作成

主食の重ね食べをしない

「ラーメンとチャーハン」「カップ麺とおにぎり」といった主食の重ね食べは、比較的安価で空腹を満たしてくれる魅力的なメニューです。しかし、主食の主体は炭水化物のため、重ね食べを続けているとPFCバランスを大きく崩す原因になります。炭水化物のとりすぎによって、以下のようなリスクを高める可能性もあります。

炭水化物のとりすぎによるリスク

・肥満
糖質は脳と体にとって重要なエネルギー源ですが、とりすぎるとエネルギーとして活用しきれず、余った分が中性脂肪として体に蓄積されて肥満や生活習慣病の原因になります。特に、消費エネルギーの少ない人の主食の重ね食べは要注意です。

・血糖値の上昇
主食の重ね食べをした後、急激な睡魔に襲われた経験がある人は多いのではないでしょうか。これは、食後に血糖値が上昇していることによるものです。

食後すぐは誰でも血糖値が上がるものですが、通常の状態であれば食後2時間で食前の血糖値に戻ります。しかし、糖質をとりすぎたり、早食いをしたりといった血糖値の急上昇につながる食べ方を続けていると、血糖値をコントロールする機能が低下して高血糖が続き、糖尿病などのリスクが高まります。

おやつは足りない栄養素を補えるものにする

仕事や勉強の合間に、少しつまみたくなるおやつ。少量なら気分転換になり、作業の効率を上げるのに有効です。しかし、一般的におやつは甘く、糖質や脂質を主な栄養分としているものが大半を占めています。そのため、ちょっと羽目を外して食べすぎると、一気にPFCバランスが崩れてしまうのです。
おやつを食べるときは、その日の朝食や昼食のPFCバランスを思い出し、足りない栄養素を補う意識を持ちましょう。


手軽に主菜と副菜をそろえてとるなら、冷凍宅配弁当の「きくばりごぜん」

主食・副菜・主菜のそろった食事をとることで、PFCバランスを整えやすくなります。しかし、忙しい毎日を送る中で、常に主食・副菜・主菜が整った食事を用意するのは難しいものです。

そんなときに活躍するのが、ニチレイフーズダイレクトの冷凍宅配弁当「きくばりごぜん」です。
「きくばりごぜん」を電子レンジで加熱し、おにぎりやパックごはんなどの主食を用意するだけで、主食・副菜・主菜のそろった食事をとることができます。

実際に購入した方からは、「食べごたえがあり、美味しかったです」「レンジで温めるだけで洗い物もないのがとても便利」とうれしい口コミが届いています。

「きくばりごぜん」お試し4食セットについては、以下のページをご覧ください。


PFCバランスの良い食事で、健康的な生活を維持しよう!

毎日の食事を考えるときにPFCバランスを意識すると、必要な栄養を余すことなくとることができます。適正なPFCバランスに沿ってしっかり食べて、健康な体を作りましょう。
副菜や主菜を手軽にとりたい場合は、冷凍宅配弁当もぜひご活用ください。


理想的なPFCバランスは?
年齢や性別によって、理想的なPFCバランスは異なります。18~49歳の男女の場合、たんぱく質13~20%、脂質20~30%(飽和脂肪酸は7%以下)、炭水化物50~65%が理想的なバランスです。
PFCバランスが崩れるとどうなる?
摂取エネルギー量は適正でも、体に不可欠な栄養素を補うことができず、健康に影響を与えます。体脂肪が増えたり、生活習慣病のリスクが高まったりする可能性があります。

監修清水加奈子
管理栄養士、国際中医薬膳師、国際中医師。栄養学・中医学・薬膳の専門知識を持つフードコーディネーターとして、多数のメディアでダイエットレシピの提案や監修で幅広く活躍中。
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