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ダイエットや健康に関するトピックにおいて、「糖質」は重要なキーワードです。体重や体型をコントロールするにあたって、糖質を気にしている人も多いでしょう。
一方で、偏った知識や、間違った考え方による糖質コントロールが蔓延し、健康リスクが懸念される現状もあります。
そこで本記事では、糖質についての基礎知識や糖類との違い、適正な摂取量のほか、糖質が少ない食品などについてご紹介します。
糖質とは、三大栄養素のひとつ
「糖質」は炭水化物の一部で、たんぱく質、脂質と並ぶ三大栄養素のひとつです。体内に入った炭水化物は、消化酵素の働きによって人が消化吸収できる「糖質」と、消化できない「食物繊維」に分類されます。糖質はさらに「単糖類」「少糖類」「多糖類」「糖アルコール」「その他の糖質」に分かれます。
<糖質の種類>
・単糖類:ブドウ糖、果糖、ガラクトース、リボース など
・少糖類:ショ糖、麦芽糖、乳糖、オリゴ糖 など
・多糖類:でんぷん、グリコーゲン など
・糖アルコール:キシリトール、ソルビトール など
・その他の糖質:アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ステビア など
糖質は、体内で消化吸収されてブドウ糖となり、筋肉や脳のエネルギー源として使われます。
脳は、ブドウ糖を唯一のエネルギー源として使うといわれています。糖質が不足すると、集中力や思考力が低下したり、疲れやすくなったりすることも多いでしょう。つまり、私たちが生活していく上で、糖質は欠かすことのできないエネルギー源なのです。
また、たんぱく質を合成するアミノ酸のうち、11種類の非必須アミノ酸を作り出すためにも糖質が必要になります。
しかし、糖質はたくさんとればいいということではありません。食事から摂取した糖質が多すぎてエネルギー源として利用されずに余ると、体内で中性脂肪に変えられ、脂肪細胞として蓄積されます。
中性脂肪は肥満のほか、肥満を原因とするさまざまな疾患を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
糖質と糖類の違い
糖質を気にしながら買い物をしていると、スーパーやコンビニエンスストアなどで売られている食品やお菓子、飲料などの「糖質ゼロ」「糖類ゼロ」といった表示が目につきます。糖質と糖類は、いったい何が違うのでしょうか。
糖質は炭水化物から食物繊維を除いた栄養素の総称で、体内でエネルギー源として利用されます。一方、糖類は糖質の一部です。
前述したとおり、糖質は単糖類や少糖類、多糖類、糖アルコールなどに分類できます。少糖類は二糖類(単糖類が2つつながったもの)を含める場合や、オリゴ糖のように3つ以上の糖が結び付いたものを指す場合があります。それらの中の単糖類と二糖類が糖類です。具体的には、単糖類であるブドウ糖や果糖、二糖類であるショ糖などが該当します。
これらを図にまとめると、下記のようになります。
このことから、「糖類ゼロ」「糖類オフ」の商品は、ブドウ糖やショ糖といった糖類は基準値よりも少ない一方で、でんぷんやキシリトールなどの糖質を含んでいる可能性があるといえます。
「オフ」や「ゼロ」などの強調表示に注意
栄養成分についての「オフ」や「ゼロ」は強調表示といわれ、その栄養素を全く含まないとは限りません。食品表示基準では、糖類、糖質のどちらも「食品100g(飲み物なら100ml)あたりの含有量が0.5g未満」なら「ゼロ」と表示できるとしています。
したがって、「糖類ゼロ」「糖質ゼロ」と表示されていても、糖類や糖質が一切含まれていないとは限りません。
さらに、「糖質オフ」は「糖質ゼロ」「糖類ゼロ」「糖類オフ」と違って、食品表示基準がありません。比較対象の商品よりも糖質の量が少なければ「オフ」の表示ができてしまうため、理解した上でそれらの商品を購入しましょう。
糖質の適正摂取量はどれくらい?
ここまで、糖質は体に必要なエネルギー源であり、不足すると生活に影響を及ぼす一方、とりすぎると健康に悪影響を与えることをご説明しました。では、糖質の適正摂取量はどれくらいなのでしょうか。
厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、糖質としての適正摂取量は設定していませんが、炭水化物としての基準を定めています。また、総エネルギー摂取量(100%エネルギー)のうち、たんぱく質と脂質が占めるべき割合を差し引いた値が目標値となっています。
たんぱく質・脂質・炭水化物の各摂取エネルギーが、総摂取エネルギーに占める割合の目標値は下記のとおりです。
<総摂取エネルギーに占める割合の目標値>
・たんぱく質:13~20%
・脂質:20~30%
・炭水化物:50~65%
糖質コントロールの注意点
これまで、さまざまなダイエット法が世の中に登場しましたが、近年よく耳にするのが「糖質コントロール」です。糖質をとりすぎている場合は、糖質の摂取を適正量にすることで、食事から摂取するエネルギー量をうまく調整できます。
糖質コントロールに明確な定義はなく、やり方が決まっているわけではありません。一般的には、食事の回数を減らしたり、全体量を減らしたりするのではなく、通常の食事に含まれる糖質量を制限することで糖質コントロールと呼ぶことが多いようです。
糖質コントロールを行う際には、下記の点に注意しましょう。
極端な制限はしない
「体重を落としたい」と思うあまりに極端に糖質の摂取を制限すると、頭と体がうまく働かず、日常生活に影響を及ぼします。また、足りないエネルギーをたんぱく質や脂質で補うことで過剰摂取につながり、バランスが悪くなります。糖質が重要な栄養素のひとつであることを忘れず、適正量を摂取するようにしてください。
糖質以外の栄養素もバランス良くとる
糖質のコントロールだけに集中して、食事全体の栄養バランスが悪くなることは避けなくてはなりません。糖質コントロール中もさまざまな食品をとるよう心掛け、食事から摂取する栄養素が偏らないようにしましょう。
糖質コントロールが適していない人
糖質コントロールは、誰でも実践して良いわけではありません。中には、糖質コントロールを行うことで健康を害するリスクがある人もいます。
基本的に、十分に栄養をとる必要がある人は、安易な糖質コントロールは禁物です。やせすぎの人や持病がある人、妊娠中・授乳中の人、成長期の子供などは、糖質コントロールは適していません。
糖質が少ない食品
ここからは、糖質コントロールを実践する際に安心して食べられる、糖質が少ない食品をご紹介します。
野菜
大根や白菜、もやし、チンゲンサイ、レタスといった葉物野菜や水分量の多い野菜は、糖質が少ない傾向があります。サラダや蒸し料理、炒め物、煮物、汁物など、さまざまな調理法で食べることができ、ほかの食品との相性が良いのも特徴です。
魚介、肉、卵
多くの魚介や肉、卵は、100gあたりの糖質は5g以下と低糖質で、糖質コントロールに適しています。ただし、下味のつけ方や調理法によっては糖質の摂取量が増加するため、糖質コントロールをするなら衣を使った揚げ物や濃い味付けはやめましょう。
卵も同様に、だしや砂糖を入れた卵焼きや濃い味の煮卵などにすると、糖質の量が増えます。茹でても糖質量は変わらないので、生卵に飽きたら茹で卵などで食べることをおすすめします。
乳製品
牛乳を加工して作られる乳製品は、総じてエネルギー量が多いイメージがあるかもしれませんが、多くの乳製品は低糖質です。
ただし、果糖練乳、加工乳、ドリンクタイプのヨーグルトに含まれる糖質量は10g前後で低いとはいえないため、糖質を控えたい人はそれ以外で乳製品を摂取しましょう。
糖質が多い食品
続いては、糖質が多い食品をご紹介します。糖質コントロールを行う際には、食べすぎに注意してください。
穀物
ごはんや餅、麺、パンなどの穀物やその加工品は、総じて糖質が多めです。特に、砂糖を多く使っている菓子パンは、糖質が多くなります。
しかし、安易に穀物を抜くと、食物繊維の摂取量も減ってしまうリスクがあります。食べる量を減らしたり、一日の中で穀物を食べる回数をコントロールしたりして調整しましょう。
エネルギー量が多めの野菜
糖質が多く含まれる野菜は、西洋かぼちゃ、とうもろこし、レンコンなどです。日本かぼちゃは西洋かぼちゃよりも糖質量が少ないため、かぼちゃが食べたいときには探してみてください。
いも類
いも類も、糖質が多く含まれる食品のひとつです。じゃがいもやさつまいもなども、とりすぎには注意しましょう。
また、春雨の中でも、じゃがいもやさつまいもをはじめとしたいも類のでんぷんから作られたものは、糖質を多く含みます。
果物
果物には、ブドウ糖・果糖・ショ糖といった糖質が含まれています。水分やビタミンC、食物繊維、カリウムが補給できますが、食べすぎると果糖をとりすぎてしまうため適度に取り入れるようにしましょう。
果物の中でも糖質が多いのは、ぶどうや柿、パイナップル、マンゴーなどです。
お菓子
糖質コントロールをしていても、たまに食べたくなるのがお菓子です。しかし、残念ながら和菓子・洋菓子を問わず、お菓子に含まれる糖質は総じて多めです。
中でも、穀物と砂糖を多く使っている和菓子やケーキ、いもを使っているポテトチップスは糖質が多いため、頻繁に食べるのはやめましょう。
糖質量を把握したい方におすすめの冷凍宅配弁当
糖質は気になりますが、買い物や調理のたびに糖質を計算し、食品や調理法に気を配るのは面倒ですよね。
「どんな食事を作ればいいかわからない」「もう少し手軽に糖質をコントロールしたい」と悩んでいるようなら、適正な糖質量になるよう計算されたお弁当が届く冷凍宅配弁当を試してみませんか。
ニチレイフーズダイレクトの「きくばりごぜんⓇ」は、主菜と副菜を組み合わせ栄養バランスにも配慮した冷凍宅配弁当です。食事からとる糖質量を調整したいなら、「きくばりごぜんⓇ」の中でも糖質量に配慮したメニューを集めたセットがおすすめです。
こちらのセットに含まれる4食はすべて糖質15g以下で、糖質コントロールに挑戦している方も安心して食べられます。
「きくばりごぜんⓇ」お試し4食セットについては、下記のページをご覧ください。
糖質は多すぎず少なすぎず、適正量を守ろう
糖質は、過剰に摂取すると中性脂肪となって蓄えられ、肥満を引き起こします。だからといって過度に制限すると、脳と体のエネルギー源が不足し、疲れやすくなったり、勉強や仕事に集中できなくなったりします。
糖質は私たちの脳と体を動かす重要な栄養素でもあるため、糖質を極端に制限するダイエット法には注意しましょう。糖質は多すぎず少なすぎず、適正量を守る「糖質コントロール」を意識することで、肥満を予防し、健康を維持することができます。
また、糖質コントロールをする際は、幅広い食品からまんべんなく栄養素をとることを意識してください。糖質の計算や調理が面倒なときは、豊富な食品を使いつつ、全体の糖質量に配慮した冷凍宅配弁当の活用がおすすめです。
- 糖質と炭水化物の違いは?
- 炭水化物は、食物繊維と糖質を合わせたものの総称です。炭水化物は、エネルギー源になる糖質と、消化できない食物繊維に分類されます。
- 糖質と糖類の違いは?
- 炭水化物から食物繊維を除いた栄養素が「糖質」と呼ばれており、脳や体のエネルギー源となります。そして、糖質の中の単糖類と二糖類が「糖類」に該当します。具体的には、単糖類であるブドウ糖や果糖、二糖類であるショ糖などが糖類です。