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健康診断や人間ドックで指摘を受け、糖質を意識し始める人は多いでしょう。
ここでは、緩やかな糖質コントロールを前提として、メリットや注意点のほか、糖質コントロール中でも満足感を得られる食事などについてご紹介します。
糖質コントロールには明確な定義はなく、さまざまな方法がある
糖質は炭水化物の一部であり、たんぱく質、脂質と並んで、人間が生きるために欠かせない三大栄養素のひとつです。糖質をコントロールした食事とは、食事から摂取する糖質を適正にすることを指します。エネルギー制限の場合は三大栄養素をまんべんなく調整しますが、糖質コントロールの場合は糖質のみが対象です。 糖質コントロールについては、論文や書籍でさまざまな方法が発表されています。
提示されている糖質摂取量は方法によって異なり、「何を」「どれくらい」制限するかについては明確な定義がありません。そのため、短期的な効果が実証されている一方で、安全で長期的に行うための基準はないのが現状です。糖質コントロールをする場合は「糖質をまったくとらない」といった極端な制限はせず、「糖質を必要以上にとりすぎない」といった意識で、短期間にとどめるようにしましょう。
また、緩やかな糖質コントロールを始める場合は、体に必要なエネルギー量を摂取できるよう、肉、魚、豆腐、乳製品といったたんぱく質と脂質が主成分となる食品をバランス良く食べるようにしてください。
代表的な糖質コントロールの方法
続いては、代表的な糖質コントロールの方法を3つご紹介します。どれも「糖質をまったくとらない」といった極端な制限ではなく、糖質を適度にとり、過剰な摂取を控えるという共通点があります。
バースタイン式
バースタイン式は、アメリカの医師リチャード・K・バーンスタイン氏が考案した糖質コントロールの方法です。1日の糖質摂取量を130gまで制限するもので、北里研究所病院糖尿病センター長であり糖尿病専門医である山田悟氏も、同様の「緩やかな糖質コントロール」をすすめています。
灰本式
NPO法人日本ローカーボ食研究会の代表理事である灰本元氏は、糖質の摂取量を制限し、その分のエネルギーを脂質で補う方法を提唱しています。また、糖質は130g以上摂取することをすすめています。
ウエストマン式
ヘルスアプリ「Lifesum」の栄養士フリーダ・ハージュ=ウエストマン氏は、1日の糖質摂取量を50~150gに収めることを提唱しています。
糖質をコントロールした食事をとるメリット
糖質をコントロールした食事には、いくつかのメリットがあります。糖質が気になる方のほか、空腹やカロリー計算でダイエットを挫折した経験がある方にはうれしいメリットです。
空腹を我慢せずに済む
糖質コントロールは、糖質の摂取量を適正にすれば良く、脂質やたんぱく質は比較的自由にとっても構わないという考え方です。調理法も選ばないので、ダイエット中でもおなかいっぱい食べられ、空腹でストレスを感じずに済むというメリットがあります。
カロリー制限食よりも簡単
カロリー制限食はカロリーを計算した上で栄養バランスも気にする必要がありますが、糖質コントロールは糖質の摂取量を中心に考えればよいため、簡単で続けやすいというメリットがあります。糖質をコントロールしながら栄養バランスの良い食事をとるには、「食事バランスガイド」や「四群点数法」が参考になります。
・食事バランスガイドを目安にする場合
厚生労働省と農林水産省が作成した食事バランスガイドは、「何を」「どれだけ」食べたら良いかを、コマの絵で表現したものです。コマには、活動量が低い成人男性や活動量が普通以上の成人女性が、1日で食べたい食品の種類と量が示されています。
糖質を多く含む炭水化物(主食)については、市販のおにぎりなら1日5〜7個とることが望ましいとされています。緩やかな糖質コントロールの場合は、ごはんを小盛りにしてその分、野菜のおかずを一皿増やすといったことから始めてみましょう。
・四群点数法を目安にする場合
四群点数法は、女子栄養大学が確立した、バランスの良い食事をとるための考え方を示したものです。一群から三群までの食品を3点ずつと、四群の食品を自分に合った量食べることを基本ルールとしています。
糖質コントロールに該当するのは四群で、油、ごはん、スパゲティ、食パン、バター、せんべい、ミルクチョコレートといったものが該当します。これらを調整して、糖質の摂取量を適正にしましょう。
■四群点数法による食品の分類と1点分の目安
食品 | 1点分(80kcal)の目安 | |
---|---|---|
一群 | 乳・乳製品、卵 | 牛乳120g、スライスチーズ24g、卵1個など |
二群 | 魚介、肉、豆・豆製品 | マグロ赤身85g、鶏胸肉皮付き55g、木綿豆腐110gなど |
三群 | 野菜(きのこ、海藻を含む)、芋、果物 | 野菜350g(緑黄色野菜120g以上+淡色野菜、きのこ、海藻)、じゃがいも110g、りんご皮付き130gなど |
四群 | 穀類、油脂、砂糖、その他 | ごはん50g、油9g、ミルクチョコレート14gなど |
糖質コントロールが適している人
糖質コントロールが適しているのは、主に下記のような人です。自分が糖質コントロールに適しているか、確認してから取り組むようにしましょう。
運動する時間が取れない人
摂取した糖質は、すみやかに全身に送られてエネルギー源になります。ところが、摂取量が多すぎると、エネルギーとして使いきれなかった糖質が脂肪となって蓄積されていきます。運動習慣があって脂肪をエネルギーに変えられる人は良いのですが、なかなか運動の時間が取れない人は代謝が追いつかず脂肪が増えてしまうでしょう。
こうした場合は、糖質コントロールが有効であるといえます。
糖質コントロールが適していない人
糖質コントロールが適していないのは、どのような人なのでしょうか。下記に該当する人は、適切な量の糖質を摂取し、食べすぎないように気をつける程度にしておいたほうがいいでしょう。
成長期の子供
成長期の子供の体は、大人に比べると未発達な状態です。筋肉量が少ないため、肝臓でアミノ酸や脂肪から糖質を作る糖新生も十分に行うことができません。それにもかかわらず、勉強や運動で脳や体をフルに使って糖質を消費するため、小児は普通でも低血糖を起こしやすいのです。その上、糖質コントロールを行えば、正常な発達を妨げることになりかねませんので注意しましょう。
低栄養・やせすぎの人
糖質をコントロールした食事は、低栄養およびやせすぎの人など、十分なエネルギーを必要とする人には適していません。 また、高齢者が行うと身体機能や心理的・社会的な機能が低下し、健康障害を起こしやすくなります。高齢者に関しては、心と体のエネルギー源になる糖質も積極的にとって、健康的な状態を維持する必要があります。
腎臓病の人
糖質コントロールをする場合、代わりにたんぱく質や脂質から必要なエネルギーを摂取しなければなりません。腎臓病の人は、塩分、カリウムのほか、たんぱく質の摂取量に制限があるため、糖質コントロールには適していないのです。医師に相談し、適切な食事をとりましょう。
肝硬変の人
肝硬変は病状によって、適した食事が異なります。自分の判断で糖質を制限せず、医師に相談して適切な食事をとりましょう。
慢性疾患がある人
慢性疾患がある人や体調に不安がある人も、体調を悪化させる可能性があるため、糖質コントロールを行うべきではありません。食生活を変えたいなどの希望があるときは、必ず医師に相談しましょう。
妊娠中・授乳中の人
糖質が不足すると、おなかの赤ちゃんの成長に影響します。糖質の摂取量を適正にした分、脂質が増えて脂質異常症になったり、塩分が増えて高血圧になったりすることもあるため、バランス良く食べることが大切です。
妊娠糖尿病と診断された場合でも、栄養素をバランス良くとる食事療法で血糖値上昇を抑えられることがあります。食事内容は医師の指示に従いましょう。
糖質コントロールにおすすめの食品
糖質をコントロールした食事におすすめなのは、糖質が少ない食品です。下記の食品は、糖質コントロールをした場合でも比較的自由に食べられます。
■糖質が少ない食品
肉、魚 | ・肉類(豚肉、牛肉、鶏肉など) ・魚類(さんま、あじ、まぐろ、ブリなど) ・卵 |
野菜 | ・葉物野菜(ほうれん草、小松菜、レタス、白菜など) ・もやし、カイワレ大根など |
調味料 | ・サラダ油、オリーブオイル、ごま油など ・塩 ・酢 ・マヨネーズ |
飲み物 | ・水 ・お茶類(ウーロン茶、麦茶、紅茶など) |
その他 | ・キノコ類(しめじ、まいたけ、なめこなど) ・乳製品(牛乳、チーズ、無糖ヨーグルトなど) |
糖質コントロールに向かない食品
糖質が多い食品は、糖質をコントロールした食事に向いていません。糖質コントロール中は、下記の食品の摂取を適正にしてみましょう。
■糖質が多い食品
主食 | ・ごはん ・パン ・麺類(ラーメン、パスタ、うどんなど) ・粉もの(お好み焼き、たこ焼きなど) ・コーンフレーク |
根菜類・果物 | ・芋類(じゃがいも、さつまいも、里芋、長芋など) ・かぼちゃ ・とうもろこし ・果物類(バナナ、ブドウ、マンゴーなど) ・缶詰類(みかん、パイナップル、桃など) |
調味料 | ・砂糖 ・みりん ・トマトケチャップ |
飲み物 | ・炭酸飲料 ・フルーツジュース |
お菓子 | ・スナック菓子(せんべい、ポテトチップス、クッキーなど) ・洋菓子(ケーキ、シュークリームなど) ・和菓子(大福、団子など) ・飴 |
糖質コントロールを行う際の注意点
糖質コントロールを行う際には、下記の2点に注意が必要です。なお、体調が悪くなった場合は、糖質コントロールを直ちに中止してください。
極端な糖質コントロールをしない
糖質は太る原因になる一方で、体を動かし、脳を働かせる上で絶対に必要な栄養素です。糖質が不足すると、疲労感や集中力の低下といった症状が現れる可能性があり、日常生活に影響を及ぼすことになりかねません。人が健康的に生きていく上で、糖質を食事から完全に排除することはできないでしょう。また、長期的に安全に行う方法は確立していないのが現状です。
糖質が不足すると、体はたんぱく質を分解して足りないエネルギーを補おうとするため、筋肉量も少しずつ減っていきます。筋肉は基礎代謝を上げてやせやすい体質を作る上で欠かせないものですから、糖質コントロールを行うことで筋肉が減り、結果的にやせにくくなるという悪循環が起こってしまうのです。
積極的に水分を補給する
糖質コントロールは、体内の水分を大量に消費します。糖質から作られるグリコーゲンという成分は、1gあたり3gの水分と結合するため、糖質が枯渇すると水分も枯渇するからです。
糖質コントロールを行う際には、意識的に水分をとるようにしてください。
糖質コントロール中でも、宅配弁当で満足感を得られる食事を
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摂取エネルギーが多くなりがちな肉や揚げ物でも全体のカロリーを300kcal以下にコントロールしている上、糖質も1食17g以下。糖質を控えたい方にも十分な満足感があり、食品や味付けもバラエティに富んでいますので、飽きずに続けていただけるでしょう。
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糖質をコントロールした食事は、宅配弁当も使って気楽に緩やかに
今回ご紹介した糖質コントロール向きの食品を参考に、無理のない範囲でトライするようにしてください。自力では継続が難しいと感じたら、ニチレイフーズダイレクトの宅配弁当を併用しましょう。見ても食べても満足感のある糖質をコントロールした食事で、糖質コントロールで起こりがちなデメリットのリスクを軽減します。
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- 糖質制限をしているときは何を食べればよい?
- 糖質をコントロールした食事におすすめなのは、肉類、魚類、野菜、きのこ、乳製品などです。白米は糖質が多いため、玄米や雑穀米などに置き換えるとよいでしょう。
- 糖質制限で避けたほうがよいものは?
- 糖質コントロールの際は、主食、根菜・果物類、炭酸飲料・ジュース、お菓子などの糖質の多い食品・飲料の摂りすぎに気をつけましょう。