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筋トレやダイエットをしている方は、効率良く筋肉をつけたり、あるいは不足しがちな栄養素を補ったりするために「プロテインをとると良い」と聞いたことがあるのではないでしょうか。コンビニエンスストアなどでも、「プロテイン含有」をうたった商品をよく見かけるようになりました。
プロテインが体に不可欠な栄養素であることは確かですが、とり方やとる量には注意が必要です。本記事では、プロテインの働きや種類、摂取のポイントなどについて解説します。
プロテインとは、たんぱく質のこと
プロテイン(protein)は、たんぱく質のことです。一般的には、たんぱく質を手軽に摂取できるサプリメントのことを「プロテイン」と呼ぶことが多いでしょう。本記事では、栄養素は「たんぱく質」、サプリメントは「プロテイン」として区別します。
厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準」(2020年版)では、高齢者のたんぱく質の目標量の下限が引き上げられ、より積極的な摂取が推奨されるようになりました。
たんぱく質とは、エネルギー産生栄養素のひとつ
たんぱく質は、炭水化物、脂質と並ぶエネルギー産生栄養素のひとつです。動物や生物の細胞を構成する主要な成分で、人間の体から水分を除いた重量の約半分を占めるとされ、生命を維持する上で欠かすことができません。具体的には、下記のような役割を果たしています。
<たんぱく質の役割>
・筋肉をはじめ、臓器・皮膚・毛髪など、体を構成する成分を作る
・ホルモン、酵素、抗体など、体の調節機能成分を作る
たんぱく質は、豆、卵、肉、魚などの食品成分として含有され、20種類のアミノ酸で構成されています。このうち、体内で合成することができず、食事から摂取する必要があるアミノ酸を「必須アミノ酸」といいます。アミノ酸がひとつでも欠けるとたんぱく質が合成されないため注意が必要です。
たんぱく質不足を起こさないために、必須アミノ酸を含んでいてアミノ酸のバランスが良い、「アミノ酸スコアの高い良質なたんぱく質」をとりましょう。
たんぱく質を多くとれる食材には、下記のようなものがあります。
肉類
肉類には、動物性たんぱく質に加え、ビタミン、鉄なども含まれます。たんぱく質を多く含むのは、鶏ささみ、鶏むね肉、豚ヒレ肉、牛ヒレ肉です。ただし、肉の種類や部位によっては脂質が多く含まれるため、とり方には注意してください。
豚肉ならバラよりヒレ、鶏肉ならもも肉よりもささみのほうが、脂質が少なくたんぱく質が多く含まれています。
魚介類
魚介類は、動物性たんぱく質のほか、善玉コレステロールを減らさず悪玉コレステロールを減らすDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)を含むものもあります。
たんぱく質量は、イクラ、さば、鮭が特に豊富です。中には脂質が多い魚もあるため、さまざまな種類の魚をとるのがおすすめです。
乳製品
乳製品には、動物性たんぱく質に加えてカルシウム、ビタミンA、B2、B12などが含まれます。中でも、牛乳やヨーグルトは「アミノ酸スコアの高い良質なたんぱく質」の筆頭格です。低脂肪のものを選ぶなど、カロリーに気を付けながら積極的にとりましょう。
乳製品のうち、特にたんぱく質の含有量が高いのはパルメザンチーズです。
大豆、大豆製品
大豆や大豆製品からは、アミノ酸スコアが高い良質な植物性たんぱく質をとることができます。ほかにも、炭水化物、脂質、ミネラル、ビタミンなどが含まれています。
たんぱく質の摂取目安量
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1歳以上のすべての年齢において、男女を問わず1日体重1kgあたり0.66gをたんぱく質の維持必要量としています。維持必要量とは、最低限とりたいたんぱく質量を指します。
実際には、性別や活動量によって必要なたんぱく質量は異なるため、下記の図を確認し、身体活動レベルに応じた目標量を摂取目安量にするといいでしょう。
■身体活動レベル別・たんぱく質の目標量(g/日)(成人、非妊婦、非授乳婦)
男性 | 女性 | |||||||
身体活動レベル |
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18~29歳 |
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30〜49歳 |
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50〜64歳 |
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65〜74歳 |
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75歳以上 |
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出典:厚生労働省「 日本人の食事摂取基準 」(2020年版)
身体活動レベルとは、日常生活における身体活動を強度別に表したものです。生活や仕事、運動の内容によって3つに分類されます。
・I(低い)
生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の人
・II(普通)
座位中心の生活だが、移動や立位での作業・接客、通勤・買い物での歩行、家事、軽いスポーツのいずれかを行う人
・III(高い)
移動や立位の多い仕事に従事する人、あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている人
ちなみに、たんぱく質量に上限量は設けられていません。たんぱく質の過剰摂取と最も関連が深いのは腎機能ですが、摂取したたんぱく質の量による明確な差は認められていないからです。
といっても、たんぱく質を必要以上にとりすぎるのは危険です。たんぱく質が体に不可欠なもので、積極的にとりたいのは確かですが、目標量を上回らないように注意しましょう。
特に、プロテインは効率的にたんぱく質を摂取できるため、大量摂取につながる可能性があります。摂取するタイミングを決めて飲む、食事から十分にたんぱく質をとれていれば摂取を控えるなど、過剰摂取につながらないよう工夫することが大切です。
プロテインを利用するメリット
サプリメントのプロテインからとれるたんぱく質と、肉や魚、豆腐といった食事からとれるたんぱく質に違いはありません。では、プロテインを利用することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
たんぱく質を効率良くとれる
食事から摂取するたんぱく質の量を増やそうとすると、たんぱく質摂取量に比例して脂質や糖質の摂取量も上がってしまいます。その点、プロテインを利用すれば、脂質や糖質をとりすぎることなくたんぱく質の摂取量だけを増やすことができます。
たんぱく質以外の栄養素も同時にとれる
たんぱく質は体を作る上で欠かせない栄養素ですが、たんぱく質のみでは不十分です。健康的な体づくりには、炭水化物やミネラル、ビタミンといった栄養素も十分に摂取する必要があります。
たんぱく質以外の栄養素を含むプロテインが多数販売されており、必要な栄養素をたんぱく質と同時に補給することができます。
手軽に摂取できる
食事からたんぱく質を摂取しようとすると、肉や魚、卵など、たんぱく質が豊富な食品を選んで調理するところから始めなくてはなりません。プロテインであれば、ゼリータイプやドリンクタイプ、スナックタイプならそのまま、パウダー状なら水や牛乳に溶かすことですぐにたんぱく質を摂取できます。
プロテインはこんなときにおすすめ
プロテインはさまざまなシーンで活用できます。ここからは、プロテインの摂取におすすめのシーンを見ていきましょう。
トレーニング後
プロテインは、食事よりも効率的にたんぱく質を取り込むことができます。そのため、ゆっくり食事をする時間がないトレーニング後のたんぱく質補給におすすめです。
就寝前
ボディメイクやダイエットのために食事制限をしていると、おなかが空いて眠れなかったり、空腹に耐えきれず夜中につまみ食いをしてしまったりすることがあります。腹持ちの良いプロテインをとれば、空腹をまぎらわすことができます。
とはいえ、消化器官の負担にならないよう、寝る直前の摂取は避けましょう。
食事でたんぱく質がとれなかったとき
仕事や勉強、育児、介護、家事などで忙しい中、3食すべての栄養バランスを完璧に整えるのは難しいものです。食事からのたんぱく質摂取量が不足していると感じたとき、さっと補給できるのはプロテインのメリットです。
ダイエット中
ダイエットで食事制限をしていると、食事の栄養バランスを保つことが難しくなります。プロテインなら、糖質や脂質を抑えてたんぱく質を効率良く摂取できるので、ダイエット中にもおすすめです。
フレイル対策
フレイルとは、年齢とともに体重減少や筋力低下が起こり、心身の働きが弱くなる状態のことです。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、高齢者を含めた全年齢のたんぱく質維持必要量が、1日体重1kgあたり0.66gに変更されたほか、50~74歳が目標とするたんぱく質摂取量の下限値をほかの年齢区分よりも引き上げました。
食事量が減って十分なたんぱく質量を満たせない高齢者の場合、飲料と同じ感覚で十分なたんぱく質量を摂取できるプロテインが有効です。
プロテインの選び方
プロテインには、さまざまな種類があります。ここでは、自分に合ったプロテインを選ぶ方法を3つご紹介します。
プロテインの成分で選ぶ
プロテインには、「動物性プロテイン」と「植物性プロテイン」があり、それぞれ機能が異なります。
動物性プロテインは、肉や魚、乳製品などから摂取できるたんぱく質です。動物性たんぱく質は、植物性たんぱく質よりもアミノ酸スコアが高いものが多くあります。
一方、植物性プロテインは、大豆やエンドウ豆などから摂取できるたんぱく質です。その多くは、動物性プロテインに比べるとアミノ酸スコアは低いものの、脂質由来のエネルギー量は抑えることができます。
動物性プロテインは「ホエイプロテイン」と「カゼインプロテイン」、植物性プロテインは「ソイプロテイン」が代表的です。それぞれ下記のような特徴があります。
・ホエイプロテイン
ホエイプロテインは牛乳から抽出され、水に溶けやすいことが特徴です。吸収されるスピードが速いため、トレーニング後に活用するといいでしょう。
・カゼインプロテイン
ホエイプロテインと同じく牛乳から抽出されるたんぱく質ですが、カゼインプロテインは不溶性です。そのため、ゆっくりと吸収されます。満腹感の持続が期待できるため、ダイエット中の方におすすめです。
・ソイプロテイン
ソイプロテインは、大豆から抽出されるたんぱく質の一種です。女性ホルモンのエストロゲンに似た構造を持つ大豆イソフラボンの成分が含まれています。カゼインプロテインと同じく吸収速度が遅いため、ダイエット中にもおすすめです。乳製品アレルギーの場合も安心してとることができます。
プロテインといっしょに配合されている成分で選ぶ
プロテインを活用するメリットでもふれたとおり、プロテインにはさまざまな栄養素が含まれています。含まれる栄養素は商品によって異なるため、普段の食生活で不足している栄養素を軸に選ぶのもおすすめの方法です。
ただし、それぞれの栄養素をほかのサプリメントや食事から十分にとっている場合は、過剰摂取にならないよう注意が必要です。
プロテインに含まれる栄養素には、炭水化物、ミネラル、ビタミンなどがあります。それぞれの特徴は下記のとおりです。
・炭水化物
炭水化物は糖質と食物繊維のことで、糖質は筋肉を動かすためのエネルギー源です。身体活動レベルに見合った量の糖質がとれていないと、活動量に応じてどんどん糖質が消費され、やがて不足し始めます。すると、体内のたんぱく質がエネルギー源として使われるようになり、筋肉が合成されにくくなってしまうのです。
ウエイトトレーニングの直後にとりたいときは、炭水化物を含んだプロテインを選ぶといいでしょう。
・ミネラル
ミネラルは、炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミンと並ぶ重要な栄養素です。ミネラルが不足すると、体にさまざまな不調が表れます。代表的なミネラルにはカルシウム、カリウム、鉄などがあります。
ミネラルは体内で合成できないため、食事から摂取する必要がありますが、食事で必要量を完璧に補うのは難しいこともあるでしょう。プロテインといっしょに不足しがちなミネラルを補えるのは大きなメリットです。
・ビタミン
ビタミンは摂取した3大栄養素(糖質、たんぱく質、脂質)の代謝を助ける働きがあります。体内ではほとんど作ることができないため、ミネラルと同じく食事から補わなくてはなりません。
しかし、食事だけではどうしても不足しがちで、プロテインの働きを十分に引き出せない可能性があります。ビタミンを配合したプロテインをとることで、プロテインの効果をより高めましょう。
プロテインの形状やとり方で選ぶ
プロテインの代表的な形状は「パウダー」「タブレット」「バー」です。それぞれ下記のような特徴があります。
・パウダー
パウダーはプロテインの中でも、最もメジャーなタイプです。種類が豊富で、牛乳由来のホエイプロテインやカゼインプロテイン、大豆由来のソイプロテインなどから、自分に合ったものを選ぶことができます。ココア味、チョコレート味、ブルーベリー味などフレーバーが多様で、水に溶かすか牛乳に溶かすかによっても味の違いを楽しめます。
シェーカーに溶かした状態で持っていけるジムなどでは、パウダータイプがいいでしょう。体に必要なたんぱく質量に応じて手軽に量を調整できるため、家族みんなで使いたいときにもおすすめです。
・タブレット
タブレットは、ケース入りのラムネのような形状で、コンパクトな点がメリットです。パウダーのように水や牛乳に溶かす必要がないためシェーカーも不要で、飲みたいときに手軽に飲むことができます。パウダーと同じ量をタブレットで摂取することは難しいため、外出時でもこまめにたんぱく質を補給したいときにおすすめです。
・バー
細長い形状で、ウエハースタイプや焼きチョコタイプなどがあります。袋を開けるだけで食べられるため、時間がない朝や仕事中にも手軽にたんぱく質を補給できます。甘くておいしい分、糖質はそれなりに含まれているため、食べすぎには注意してください。
クッキータイプなども、バーと同様におやつ感覚で食べられるプロテインです。
手軽に食事をとるなら、冷凍宅配弁当の「パワーデリ®」
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「パワーデリⓇ」については、下記のページをご覧ください。
食事とプロテインで、たんぱく質量をキープ!
健康的でいきいきとした生活を送るために、たんぱく質の継続的な摂取は欠かせません。
冷凍宅配弁当やプロテインを食生活に取り入れて、たんぱく質の目標量を着実にクリアしていきましょう!
- プロテインにはどんな効果がある?
- サプリメントのプロテインは、手軽にたんぱく質を摂取することができます。必要なたんぱく質をすみやかに補えるため、運動中・運動後の筋肉の修復、筋量低下防止に役立ちます。
- たんぱく質とプロテインの違いは?
- プロテインは英語でたんぱく質の意味です。日本では、たんぱく質補給に効果的なサプリメントのことも「プロテイン」と呼ぶことがあります。