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公開日:2023.11.07
更新日:2024.10.29
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つわりにおすすめの食べ物は?食事の工夫と注意すべき食べ物を解説

症状に個人差はあるものの、多くの妊婦さんを悩ませる「つわり」。空腹になると吐き気を感じ、食べても気持ちが悪くなって吐いてしまうなど、食事をとることさえままならなくなる人もいます。妊娠中は血液を通してママから赤ちゃんに栄養が行くと聞き、不安になることもあるでしょう。

そこで本記事では、つわりのときに食べやすいおすすめの食べ物や、つわりの際の食事で工夫できることのほか、妊娠中に注意すべき食べ物などについてご紹介します。

目次

つわりとは、妊娠初期に起こる吐き気や胃の不快感などの症状

つわりは、妊娠初期のホルモンバランスの変化によって生じる悪心(吐き気)、嘔吐、胃の不快感や痛み、食欲の低下といった症状の総称です。
人によっては、頭痛や眠気、唾液増加などの症状を自覚します。一般的には妊娠12週頃を目安に改善するといわれますが、妊娠後期まで症状が続くこともあります。

「妊娠中のつわりは仕方ない」と、無理をするのは危険です。食べ物はおろか水分さえも満足にとれない状態が続くと、脱水や栄養代謝障害などを引き起こす妊娠悪阻(にんしんおそ)になり、急激な体重減少で入院治療が必要となることもあります。妊娠悪阻が疑われる場合は、無理せず医師に相談しましょう。


妊娠中にとりたい栄養素

妊娠中は、赤ちゃんの発育のために適切な体重増加と、さまざまな栄養素の摂取が求められます。特に、妊娠中に意識してとりたい栄養素は、「たんぱく質」「鉄分」「カルシウム」「葉酸」の4つです。

たんぱく質

たんぱく質は、筋肉や臓器、皮膚、ホルモン、免疫物質、血液などを作る栄養素です。妊娠中にたんぱく質が不足すると、体力や免疫機能の低下など、ママにも影響があります。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)によれば、18~49歳の1日に必要なたんぱく質は、摂取エネルギーの13~20%が理想で、成人女性の推奨量は1日50gです。妊娠中は、より積極的にとることが望ましいとされ、中期で+5g、後期で+25gの追加が推奨されています。

たんぱく質を多く含む食べ物には、肉、魚介類、卵、牛乳・乳製品、大豆・大豆製品などがあります。

たんぱく質については、以下の記事をご覧ください。

たんぱく質の多い食べ物は?筋トレにいい食品とおすすめの食べ方を紹介

鉄分

妊娠すると、赤ちゃんと鉄分を共有したり分娩時の出血に備えたりするため、血液の量が増加します。それに伴って、血液中の血球が増加しない場合は、血液が希釈されて貧血のリスクが高まります。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)によると、18~49歳の女性の鉄摂取推奨量は、月経がない場合は6.5mg、月経がある場合は10.5mgです。さらに、妊娠初期では+2.5mg、赤ちゃんが大きくなってくる妊娠中期~後期は+9.5mgの鉄分をとる必要があります。

鉄分を多く含む食べ物には、レバー、牛肉(赤身)、カツオ、あさり、大豆・大豆製品、青菜などがあります。

鉄分については、以下の記事をご覧ください。

鉄分の多い食べ物を効率良くとるには?管理栄養士がランキングで紹介

カルシウム

赤ちゃんの骨や歯を形成するカルシウムは、ママの胎盤を通して届けられるため、食べ物からしっかりとることが重要です。カルシウム不足は、ママの骨粗鬆症の原因にもなります。「妊娠中、ママの歯からカルシウムが溶け出して赤ちゃんに吸収される」などといわれることがありますが、科学的根拠はありません。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)によると、18~49歳の女性におけるカルシウムの摂取推奨量は650mg/日です。日本ではカルシウム不足が問題になっているため、そもそもの摂取量が足りていないことを踏まえて、妊娠中は特に気をつけて摂取する必要があるでしょう。

カルシウムを多く含む食べ物には、牛乳・乳製品、小魚、大豆・大豆製品、ひじき、青菜などがあります。

葉酸

妊娠中はもちろん妊活中も、特に意識してとりたい栄養素のひとつに葉酸があります。葉酸は、ビタミンB群に含まれる水溶性のビタミンです。葉酸は、ママの貧血予防と赤ちゃんの先天異常である神経管閉鎖障害の予防につながるため、妊娠前から積極的に摂取してください。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)によると、18~49歳の女性における葉酸の摂取推奨量は240µg/日です(1µg=1mgの1,000分の1)。妊娠中期・後期のママは、追加で240µg/日(合計480µg/日)の葉酸を摂取することが推奨されています。
さらに、妊娠を計画している女性や妊娠の可能性がある女性、妊娠初期のママは、サプリメントなどを利用して葉酸を400µg/日とることが望ましいとされています。

葉酸を多く含む食べ物は、ほうれん草、モロヘイヤ、ブロッコリー、菜の花、そら豆、枝豆、かぼちゃ、いちご、バナナ、アボカドなどです。


妊娠中におすすめの栄養素を、つわりのときにとるには?

調理方法や味付けなどを工夫すれば、つらいつわりのときでも必要な栄養素をとりやすくなります。ここからは、妊娠中におすすめの栄養素を、つわりのときにとる方法について見ていきましょう。

ブロッコリー

ブロッコリーは葉酸を多く含むため、妊娠中はもちろん妊活中も食べたい食べ物です。マリネなど、さっぱりした味付けにして冷やすと食べやすいでしょう。

豆腐

たんぱく質を豊富に含む豆腐は、つわりで調理がつらいときも、パックを開けるだけでそのまま食べられるのが魅力。梅などと合わせて冷奴で食べると、より喉越しが良くおすすめです。

アボカド

アボカドには、葉酸がたっぷり含まれています。牛乳を加えてスムージーにすると、食欲がないときも喉を通りやすく、手軽に栄養を補給できます。

ささみ

良質なたんぱく質が多い食べ物といえばささみです。ささみを耐熱皿に入れ、ふんわりラップをして電子レンジで加熱すると、アレンジもしやすいサラダチキンが簡単に出来上がります。お好みでレモン汁やハーブなどをかけてもおいしく食べられます。

大豆

大豆は良質なたんぱく質と鉄分が豊富です。においの少ないドライパックを購入しておき、サラダに混ぜたり、スープに入れたりして摂取しましょう。


妊娠中に注意すべき食べ物や栄養素

妊娠中にとることが望ましい食べ物がある一方、注意すべき食べ物や栄養素も少なくありません。ここでは、注意する理由と併せて解説します。

大型の魚

良質なたんぱく質や不飽和脂肪酸が豊富な魚介類は重要な栄養源ですが、妊娠中はとり方に注意が必要です。食物連鎖の上位にいる大型の魚には、大量摂取によって赤ちゃんの神経系の発達に悪影響を及ぼすメチル水銀が多く含まれるため、クロマグロ、メカジキ、キンメダイなどは、週1回、約80gを目安にしてください。
ツナ缶や鮭、アジ、サバ、イワシ、サンマ、カツオなどは、通常の量を食べても問題ありません。

生もの

加熱していない食べ物や、加熱せず食べられる調理済みの食べ物には食中毒の危険があります。刺身、寿司、生ハム、ローストビーフなどは控えましょう。

ビタミンA

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)では、成人女性(妊娠期を含む)のビタミンA摂取上限量を2,700µg RAE/日としています。RAEとは、レチノール活性当量という意味で、β-カロテンなどのビタミンAの前駆体であるプロビタミンAをレチノールで換算した量のことです。妊娠中の過剰摂取は胎児奇形の原因になるため、葉酸のサプリメントや、マルチビタミンなどに配合されているビタミンAの量を必ず確認しましょう。ビタミンAを多く含む食べ物には、鶏や豚のレバーなどがあります。
なお、植物性の食べ物に含まれるβ-カロテンは、体内で必要な分のビタミンAに変換されますので、β-カロテンによるビタミンA過剰症はありません。


つわりのときの食事の工夫

つわりで食欲がないときは、食べられるときに食べられるものをとるのが基本です。ただし、あまりにつらいときや、水分摂取もままならないときは、すみやかに医師に相談して指示を仰ぎましょう。
少しでも食欲を増進するために、以下のような工夫をするのもおすすめです。

枕元に食べ物を置いて寝る

空腹時に吐き気が起こる食べづわりの場合は、枕元に食べ物を置いておき、起きたらすぐに食べられるようにしておくと、寝起きの食べづわりを防ぐことができます。すぐに食べられるクラッカーやゼリー飲料などがおすすめです。

水分の多い食べ物をとる

水分の多い果物や野菜は、比較的喉を通りやすいです。水分が少ない食べ物や繊維質の硬い食べ物がつらいときは、みずみずしい食べ物を意識的に選びましょう。

味付けや温度を工夫する

酸味を利用してさっぱりとした味付けにすると、つわりのときでも食欲が刺激されて食事を楽しめます。冷やして食べると、においも気にならなくなりますよ。


つわりで買い物や調理がつらいときは、冷凍宅配弁当を上手に利用

つわりがひどいときは、横になって安静にしているのが一番です。買い物や調理は無理せず人に頼ったり、バランスの良い食事をサポートする冷凍宅配弁当を利用したりするといいでしょう。

ニチレイフーズダイレクトの「きくばりごぜん」は、野菜使用量100g以上(いも類、きのこ類、海藻類、豆類を含む)でエネルギー300kcal以下、食塩相当量2.0g以下の冷凍宅配弁当です。実際に購入した方からは、「レンジでチンするだけで、美味しい」「野菜が多くそれぞれ丁寧に調理されているのが嬉しい」といった声が届いています。

何かと慌ただしい産後や、赤ちゃんのお世話で手が回らない家族の食事にもおすすめです。

きくばりごぜんお試し4食セットについては、以下のページをご覧ください。


つわりは無理せず乗り切ろう

妊娠中は栄養バランスの良い食事をとるのが理想ですが、つわりがつらいときに「赤ちゃんの分まで食べないと」と無理する必要はありません。
食べられるものを食べたいときに食べ、つわりが落ち着いてきたら栄養バランスを意識した食事に戻しましょう。

栄養バランスの良い食事については、以下の記事をご覧ください。

栄養バランスの良い食事とは?栄養素やおすすめの食品を解説


つわりのときにおすすめの食べ物は?
さっぱりとして食べやすいものには、酸味を利用した味付けのマリネや、喉越しが良く簡単に食べられる冷奴などがあります。
なお、枕元に食べ物を置いておき、起きたらすぐに食べられるようにしておくと、寝起きの食べづわりを防ぐことができます。その際には、すぐに食べられるクラッカーやゼリー飲料などがおすすめです。
妊娠中に食べてはいけないものは?
クロマグロやメカジキなどメチル水銀を多く含む大型の魚、ビタミンAを多く含む鶏・豚レバーなどは、過剰摂取に注意してください。生ものは食中毒になる可能性があるため、食べるのを避けましょう。

監修清水加奈子
管理栄養士、国際中医薬膳師、国際中医師。栄養学・中医学・薬膳の専門知識を持つフードコーディネーターとして、多数のメディアでダイエットレシピの提案や監修で幅広く活躍中
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