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公開日:2024.08.23
更新日:2024.10.01
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コンビニで栄養バランスの良い食事をとるには?【管理栄養士監修】

おなかが空いたけど料理をする時間がない、外出先で手軽に食事をとりたい──そんなときに頼りになるのがコンビニです。いつも購入する、お気に入りの商品がある方も多いでしょう。しかし、同じパターンの食事ばかりとっていると、栄養が偏って体調に影響を及ぼす可能性があります。

コンビニで食事をそろえるときは、パンやごはん、麺類などの主食や、バラエティ豊かな主菜・副菜、フルーツなど、多様な商品を上手に組み合わせて、栄養バランスを整えることが理想です。
この記事では、コンビニの食事で栄養バランスを整える方法や、具体的な商品の組み合わせ、おすすめの商品を紹介します。

目次

コンビニで栄養バランスの整った食事をとるためのポイント

コンビニで栄養バランスのとれた食事をするには、どうすればいいのでしょうか。注意すべき、5つのポイントについて紹介します。

主食、主菜、副菜をそろえる

1日3食、主食・主菜・副菜を適量とることは、健康的な食生活の基本です。

コンビニで食事をそろえる際も、この点を意識して商品を組み合わせるといいでしょう。「主食1品+2~3品」をそろえるようにすると、自然とバランスが整います。主食・主菜・副菜にあてはまる商品は、以下を参考に選んでください。

・主食
主食とは、体や脳のエネルギー源になる炭水化物を摂取できるメニューで、ごはん、パン、そば、うどん、パスタなどがあります。
和食、洋食、中華など、食べたいものに合わせて主食を決めると、主菜や副菜を決めやすくなります。迷った場合は、ごはんをベースにするのがおすすめです。さまざまな食品や味付けと相性が良いため、肉や魚、乳製品、野菜、汁物など、多様な栄養素を含む食品と組み合わせることができます。

・主菜
主菜とは、たんぱく質や脂質を摂取できるメインのおかずで、肉、魚、卵のほか、納豆・豆腐といった大豆製品があります。たんぱく質は筋肉や血液を作るもとになるので、適切な量をしっかりとりましょう。
効率の良いエネルギー源として働く脂質も重要な栄養素ですが、脂質を構成する脂肪酸は種類によって健康に与える影響が異なるため、いろいろな食品をとって偏りを防ぐことが大切です。

・副菜
副菜は、野菜やきのこ、海藻などを使った料理です。副菜からは、体の機能を保つビタミンや、体を構成するミネラル、腸内環境を整える食物繊維などをとることができます。
ビタミンはほとんど体内で合成できず、ミネラルは体内で合成されることはありません。日本人に不足しがちな栄養素である食物繊維と併せて、積極的にとる必要があります。

炭水化物の重ね食べをしない

コンビニで食事を買うときに避けたいのが、「カップラーメンとおにぎり」「サンドイッチと菓子パン」といった炭水化物の重ね食べです。

炭水化物の重ね食べをすると、消費エネルギー量以上のエネルギーを摂取し、エネルギーが余ってしまう可能性があります。これは、肥満の原因になりかねません。また、主食だけで満腹になってしまうと、主菜や副菜を食べられなくなるため、栄養バランスも偏ります。
「主食は1品」の原則を守り、おなかが満たされないときはおかずで補うようにしましょう。

栄養成分表示に気を配る

容器包装に入っている商品には、エネルギー(カロリー)、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量などを記載した栄養成分表示があります。栄養成分表示を確認し、適切なエネルギー量で特定の栄養が偏らないように買い物ができると理想的です。すべての栄養を把握するのが難しい場合は、体調や健康診断の結果に合わせて、気になる栄養だけでも確認してみましょう。

活動量が低い成人男性や、活動量が普通以上の成人女性にとって、適切なエネルギー量は、2,000~2,400kcalです。適切なエネルギーの摂取量が2,000kcalの場合、たんぱく質、脂質、炭水化物の摂取量は、以下の数値を目安にしてみてください。なお、塩分と食物繊維は、活動量による目安の違いはありません。

■1日あたりのエネルギーと栄養素の目安(活動量が低い成人男性および活動量が普通以上の成人女性の場合)

エネルギー・栄養素 目安
エネルギー 2,000kcal
たんぱく質 100g
脂質 65g
炭水化物 250g
塩分 男性7.5g未満、女性6.5g未満
食物繊維 男性21g以上、女性18g以上
※たんぱく質、脂質、炭水化物の摂取量の目安については、厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに算出。たんぱく質、脂質、炭水化物が総エネルギー摂取量に占める割合の理想は、たんぱく質13~20%、脂質20~30%、炭水化物50~65%とされています。

お気に入りの商品ばかり食べない

好みの物ばかり食べていると、多様な栄養素をとることができません。視野を広げていつもと違う商品を選ぶようにしてください。
普段と違うコンビニに行ってみる、コンビニの中でいつもたどるルートを変えてみるといった工夫をすると、新しい商品との出会いがあるかもしれません。

1食のバランスにこだわり過ぎない

1回の食事で完璧な栄養バランスを実現できなくても、1日の中で調整できていれば問題ありません。
忙しい時期や疲れが溜まっているときは無理をせず、3日~1週間程度を目安にまんべんなく栄養素をとることを意識しましょう。


実践しやすい!コンビニ食の組み合わせ

コンビニで食事をそろえる際のコツがわかったところで、具体的な商品の組み合わせ方を見ていきましょう。コツコツ実践すれば、毎日の食事の栄養バランスが良くなるはずです。

幕の内弁当+おひたし+海藻スープ

お弁当を買うなら、主食・主菜・副菜がそろう幕の内弁当がおすすめです。ただし、野菜は少なめなので、副菜のおひたしや具材たっぷりの汁物などで野菜を追加しましょう。
副菜で野菜をしっかりとれていれば、汁物はミネラルがとれる海藻スープがおすすめです。

おにぎり+焼き魚+豆腐サラダ+スープ

具入りのおにぎりは、主食と主菜がとれる便利な一品ですが、具だけではたんぱく質が足りません。焼き魚や豆腐を主菜に加え、たんぱく質量を底上げしましょう。
サラダやスープで野菜をプラスすると、主食・主菜・副菜がそろった理想的な組み合わせになります。

パン+サラダチキン+スティック野菜+フルーツヨーグルト

主食をパンにする場合、具なしのシンプルなパンを選び、サラダチキンを挟むと主菜を手軽に補えます。副菜は、パンといっしょに食べやすいスティック野菜やカップサラダでとりましょう。
デザート代わりのフルーツヨーグルトで不足する炭水化物を補えば、栄養バランスが整います。

フルーツサンド+蒸し鶏サラダ+パン入りのスープ

忙しい日は、仕事をしながらサンドイッチをつまんでランチが終了という方も多いかもしれません。サンドイッチのパンは主食ですが、それだけでは少し炭水化物が不足するので、汁物にもパン入りのスープを選ぶことで適量に近づきます。
副菜には蒸し鶏が入ったサラダを選ぶと、野菜といっしょにたんぱく質も摂取できます。

パックごはん+野菜カレー+もずく酢+サラダ

ごはんを使った主食というと、おにぎりやお弁当、丼ものが真っ先に思い浮かびますが、どれもごはんが多めで野菜が不足しがちなのが難点です。茶碗1杯分の適量のごはんが食べられるパックごはんを軸にすると、栄養バランスを整えやすくなります。
加熱したパックごはんに、野菜がたっぷり入ったレトルトカレーをかけ、サラダをセットにすれば野菜の量は十分です。できれば、副菜に海藻を加えて、食物繊維やミネラルの摂取量を増やしましょう。


不足する栄養素や活動量に合わせた間食を!

間食は悪いことのように思われがちですが、栄養素を補給するための「補食」と考えると、栄養バランスを整えるのに活用できます。朝食・昼食・夕食の内容と、自分の活動量を見直し、3食でとり切れない栄養素を含む食品をとるようにしましょう。
ここからは、食事内容や活動量に合わせたおすすめの間食をご紹介します。

野菜が不足している人

野菜が不足しがちな方には、以下のような商品がおすすめです。

<野菜不足の人におすすめの商品>
・サラダやおひたし、野菜スティックなど、野菜を使った惣菜
・野菜ジュース
・野菜を多く含んでいる商品(野菜チップスやスープなど)

生野菜にこだわらず、惣菜やジュースなどの加工品を利用するのもおすすめです。惣菜は、冷凍食品やレトルト惣菜を選ぶと長期間保存できます。野菜チップスやパッケージに「1日に必要な野菜の1/3がとれる」などと書かれている商品も頼りになります。

たんぱく質が不足している人

たんぱく質は、あらゆる年代に欠かせない栄養素です。厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によれば、1日のたんぱく質の推奨量は、18歳以上の男性で1日65g、18歳以上の女性は1日50gとされています。
たんぱく質不足を自覚している人は、健康の保持・増進に向けて、以下のような商品を選ぶことをおすすめします。

<たんぱく質不足の人におすすめの商品>
・サラダチキン
・焼き魚
・ゆで卵
・豆乳
・チーズ
・ヨーグルトドリンクなどの乳製品
・プロテインバー

体を動かす仕事やスポーツをしている人

体を動かす仕事やスポーツの前後は、エネルギー源になる炭水化物を間食で補給しましょう。コンビニで購入できて、簡単に食べられる商品には、以下のようなものがあります。

<体を動かす仕事やスポーツの前後におすすめの商品>
・おにぎり
・パン
・カットフルーツ
・ドライフルーツ

活動量が多い人は炭水化物の補給が必要な一方で、活動量が少ない人は炭水化物のとり過ぎに注意が必要なので、活動量に合わせて間食を選びましょう。


冷凍宅配弁当なら、栄養バランスに悩む時間を削減できる

コンビニではバラエティ豊かな商品が購入できるので、選び方次第で栄養バランスの整った食事をとることができます。しかし、主食・主菜・副菜を意識した商品選びは、思いのほか時間がかかります。栄養が偏らないように、さまざまな商品を選ぶことによって、食費がかさむことも多いでしょう。

ニチレイフーズダイレクトの「きくばりごぜん®」は、豊富なメニューからお好みに合わせて選べる主菜と副菜がセットになった冷凍宅配弁当で、すべて300kcal以下、食塩相当量は2.0g以下です。
栄養成分はすべてウェブサイトで公開しているため、不足する栄養素を補いたいときにも参考になりますよ。

実際に試した方からは、「家族みんな満足しています」「野菜がしっかりと入っているのが良い」といった声をいただいています。


コンビニで、栄養バランスの良い食事をとろう!

コンビニは、商品の選び方次第で栄養バランスの良い食事をとることができます。普段買わない商品をチェックするところから始めてみませんか?
コンビニで食事を選ぶ時間がないときは、電子レンジで温めれば食べられる冷凍宅配弁当も活用してみてください。


コンビニで栄養バランスの整った食事をとるにはどうしたらいい?
コンビニで栄養バランスの整った食事をとるためのポイントは、大きく以下の5つです。

・「主食1品+3品」を目安として「主食、主菜、副菜」をまんべんなくとること
・炭水化物を重ね食べしないこと
・栄養成分表示に気を配って、適切なエネルギー量の範囲内で栄養をしっかりとること
・お気に入りの商品ばかり食べない
・1食のバランスにこだわりすぎない

これらのコツを実践してみてください。
コンビニでおすすめの食品は?
コンビニでおすすめの商品は、人によって異なります。野菜不足ならサラダやおひたし、野菜スティック、野菜ジュース、野菜をたっぷり使ったカレーなどがいいでしょう。たんぱく質が足りない方には、サラダチキンや焼き魚、ゆで卵、豆乳、チーズ、ヨーグルトドリンク、プロテインバーなどがおすすめです。
体を動かす仕事や運動の前後には、おにぎり、パン、カットフルーツ、ドライフルーツなどでしっかり栄養を補給してください。

監修清水加奈子
管理栄養士、国際中医薬膳師、国際中医師。栄養学・中医学・薬膳の専門知識を持つフードコーディネーターとして、多数のメディアでダイエットレシピの提案や監修で幅広く活躍中。
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