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健康のために、毎日の食事のカロリーを気にしている人は多いでしょう。近年は、外食や中食でも摂取カロリーを容易に把握できるようになりました。
しかし、やせたいと思うあまり、摂取するカロリーを抑えすぎてしまうことには注意が必要です。やせる必要がないのに無理に体重を落とそうとしたり、極端に食事制限をしたりすると、カロリー不足による健康リスクが高まります。
本記事では、1日に必要なカロリーの計算方法と、その人に合ったカロリーを過不足なくとれるおすすめの食事についてご紹介します。
1日に必要なカロリーは、年齢や活動量から推定可能
カロリーはエネルギーの単位で、1気圧のもとで水1Lの水温を1℃上昇させるのに必要な熱量を表します。
機械を動かすのにエネルギーが必要であるように、私たちの体を動かすのにもエネルギーが必要です。
人間のエネルギーになりうるのは、食事からとる炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質しかありません。カロリーは、これらの栄養素から摂取するエネルギーの量、および運動などによって消費されるエネルギーの量を示す際に使われます。
1日に必要なカロリーを推測した値を、「推定エネルギー必要量」といいます。
厚生労働省が2009年に発表した「日本人の食事摂取基準」(2010年版)によると、個人の推定エネルギー必要量の定義は、「当該年齢、性別、身長、体重、および健康な状態を損なわない身体活動量を有する人において、エネルギー出納(成人の場合、エネルギー摂取量-エネルギー消費量)が0(ゼロ)となる確率がもっとも高くなると推定される、習慣的なエネルギー摂取量の1日当たりの平均値」です。
カロリーは摂取と消費のバランスが重要
1日に必要なカロリーは、個人の条件によって異なります。太るのは、その人にとって必要なカロリーを超えて食べているからで、やせるのは必要なカロリーを満たしていないからです。
しかし、「体重を適正値まで減らしたい」「現在の適切な体重を維持したい」といった場合に、摂取カロリーだけをコントロールして体重を落とすことはおすすめできません。
なぜなら、前述したとおり、カロリーは生きるために必要なエネルギー源だからです。食事量の不足や偏りが続くと、エネルギー不足から低栄養になり、さまざまな不調を引き起こす可能性が高まります。
一方で、毎食の食事量が多すぎたり、間食をしすぎたりすることにも注意が必要です。消費しきれなかったカロリーは最終的に体脂肪となって体に蓄積され、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
つまり、標準体重をオーバーして減量するにせよ、健康的な現在の体重を維持するにせよ、摂取カロリーとともに消費カロリーを意識して生活習慣を整えていく必要があります。
摂取カロリーとのバランスをとるだけなら、激しい運動をする必要はありません。ウォーキングなどの軽い運動を1日10分程度、複数回取り入れたり、日常生活の動きを少しオーバーにしてみたりするだけでも、カロリーは消費されますので、運動習慣がない人でも気軽に取り組むことができます。
体重を減らす必要がある場合は、摂取カロリーを推定エネルギー必要量にとどめて運動量を増やし、摂取と消費のバランスで体重をコントロールするようにしてください。
1日に必要なカロリーの計算方法
人間が活動するために必要なエネルギーは、推定エネルギー必要量を計算すればわかります。推定エネルギー必要量は、年齢や性別、毎日の活動レベルによって異なるため、まずは自分の条件を把握し、数値を計算することから始めましょう。
1日の推定エネルギー必要量は、下記の式で求められます。
<推定エネルギー必要量の計算式>
推定エネルギー必要量(kcal/日)=基礎代謝量(kcal/日)×身体活動レベル
推定エネルギー必要量の計算に必要な、基礎代謝量と身体活動レベルの概要については下記のとおりです。
基礎代謝量
基礎代謝とは、「心臓を動かす」「体温を調節する」「呼吸をする」といった生命維持活動に必要なエネルギーのことです。
基礎代謝量は、年齢と体重ごとに目安が設定されています。下記の表から、年齢と性別をもとに基礎代謝基準値を確認してみてください。
■日本人の基礎代謝基準値
性別 | 男性 | 女性 | ||||||
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年齢 |
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18~29歳 |
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30~49歳 |
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50~64歳 |
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65~74歳 |
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74歳以上 |
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身体活動レベル
推定エネルギー必要量の計算には、身体活動レベルの数値も必要になります。
身体活動レベルとは、日常生活における活動の強度を数値化したものです。生活の仕方や仕事の内容によって、「低い(I)」「普通(II)」「高い(III)」に分類されます。
具体的な数値や日常生活の内容は下記のとおりです。カッコ内の数値は、おおよその範囲を表します。
・低い(I):1.50(1.40~1.60)
生活のほとんどを座って過ごしている。活動はするが、静的な活動が中心。
・普通(II):1.75(1.60~1.90)
デスクワークなど座り仕事が中心だが、職場内で立って移動したり、時に立ったままの作業や接客をしたりすることを含む。あるいは、通勤、買い物、家事、軽いスポーツなどで体を動かしている。
・高い(III):2.00(1.90~2.20)
移動したり、立って仕事をしたりすることが多い。あるいは、余暇にスポーツをして過ごすなど、活発な運動習慣を持っている。
通常は、ほとんどの人が「低い(I)」か「普通(II)」にあてはまります。
なお、推定エネルギー必要量は、活動量の少ない成人女性の場合は1,400~2,000kcal/日、男性は2,000~2,400kcal/日程度が目安です。
標準体重の計算方法
体重をコントロールする際には、自分の標準体重を目標にしましょう。標準体重は、身長(m)を2乗した値に、22を掛けることで求められます。22は、最も病気になりにくいといわれるBMI(Body Mass Index:体格指数)の数値の中間値です。
<標準体重の計算式>
標準体重=身長(m)×身長(m)×22
一例として、身長160cmの人の標準体重を計算してみましょう。
<身長160cmの人の標準体重>
1.6(m)×1.6(m)×22=56.32(kg)
身長160cmの人が体重コントロールを行う場合、目標にする体重は56.32kgとなります。
必要なカロリーを、過不足なく摂取できる食事とは?
割り出した推定エネルギー必要量をもとに、具体的な食事のとり方について考えていきましょう。
1日に何をどれだけ食べたら良いかを知るには、厚生労働省と農林水産省が共同で策定した「食事バランスガイド」が役立ちます。
食事バランスガイドでは、「活動量が普通程度の成人女性」と「デスクワークなどで活動量が低めの成人男性」が基本形となっています。下記の表は、基本形の摂取目安量である2200±200kcalを達成するための理想的な食事の内容です。
■基本形の理想的な食事内容
食事のタイミング | 食事内容 |
---|---|
朝食 | 主食:トースト1枚、またはロールパン2個 副菜:野菜スープまたはサラダ 牛乳・乳製品:コップ1杯の牛乳またはカフェオレ |
昼食 | 主食:ごはん中盛1杯 主菜:焼きサバ1切れ 副菜:お浸し(小鉢) |
間食 | 果物:りんご1個 |
夕食 | 主食:ごはん中盛1杯 主菜:豚の生姜焼き炒めキャベツ添え 副菜:レタスときゅうりのサラダ |
このように、「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」をバランス良く取り入れ、1日のトータルで必要なカロリーを3回の食事で摂取するのが理想です。
しかし、毎食、毎日継続するのは簡単ではありません。仕事の都合でどうしても昼は外食になる、朝は時間がなく栄養バランスまで気が回らないといった事情もあるはずです。
丼物をお昼にとったら夕食で主食を減らしたり、朝食の副菜が不足していたら昼食のメニュー選びで意識的に野菜を増やしたりと、1日の中で柔軟に調整してみてください。
また、継続的にカロリーコントロールするためには、1日単位の栄養バランスにこだわりすぎないことも大切です。栄養バランスを1週間単位で考えると、気軽に取り組むことができます。
週の半ばや週末にそれまでの食事を振り返り、不足ぎみの食品を多めにとるようにして、長い目で食生活を整えていきましょう。
手軽にカロリーコントロールできる冷凍宅配弁当
「すべての食事でカロリーを計算するのが面倒」「忙しい日はどうしても単品の食事で済ませてしまいがち」といったときは、カロリーコントロールをサポートするニチレイフーズダイレクトの冷凍宅配弁当「気くばり御膳Ⓡ」がおすすめです。
気くばり御膳Ⓡは、1食につき野菜使用量100g以上で、カロリーは全品300kcal以下。肉料理、魚料理など、豊富な主菜を和洋中のメニューから選べるほか、自炊で手が回らなくなりがちな副菜も充実しています。
冷凍庫に常備しておいて、カロリーをコントロールしたいときや少し自炊を休みたいときにご活用ください。
「気くばり御膳Ⓡ」お試し4食セットについては、下記のページをご覧ください。
摂取と消費のバランスに注意して、適正体重を維持しよう
健康的な体重を目指すには、摂取カロリーを抑えて体重を落とすだけではなく、体重や活動量に応じたカロリーをきちんと摂取しながら消費カロリーを増やすことが重要です。1日に最低限必要とされるカロリーを把握した上で、摂取カロリーと消費カロリーのバランスがとれた状態を目指してください。
また、食事は、カロリーさえ摂取できればいいわけではありません。1日のエネルギー必要量をもとに献立を立てる際には、「食事バランスガイド」を参考に、主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物をバランス良くとることをおすすめします。
1食分のカロリーに配慮して栄養バランスのとれた食事を楽しめる冷凍宅配弁当も取り入れながら、長期的にカロリーコントロールに取り組みましょう。
- 男性が1日に必要とするカロリーは?
- 厚生労働省と農林水産省が共同で策定した「食事バランスガイド」によると、「デスクワークなどで活動量が低めの成人男性」が1日に必要とするカロリー(推定エネルギー必要量)は、2200±200kcal/日です。
- 女性が1日に必要とするカロリーは?
- 厚生労働省と農林水産省が共同で策定した「食事バランスガイド」によると、「活動量が普通程度の成人女性」が1日に必要とするカロリー(推定エネルギー必要量)は、2200±200kcal/日です。