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公開日:2024.04.30
更新日:2024.05.02
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管理栄養士がおすすめする「毎日食べるといいもの」とは?

「健康にいい」といわれる食品があり過ぎて、結局何を食べればいいのかわからない――そう思ったことはありませんか?
食品に関する情報があふれているからこそ、食べることで健康な生活をサポートしてくれる「毎日食べるといいもの」を知り、上手に毎日の食生活に取り入れたいですよね。

そこで今回は、体に必要な栄養素をしっかり補給できて、毎日の食事にも取り入れやすい、管理栄養士おすすめの「毎日食べるといいもの」をご紹介します。

目次

毎日の食事に必要な栄養素

健康的な生活を送るには、食品からバランス良く栄養をとることが大切です。「毎日食べるといいもの」を考える際は、食事に含まれる栄養素に目を向けましょう。

栄養の面から毎日の食事に必ず取り入れたいのは、炭水化物、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミンの「五大栄養素」です。各栄養素は、その働きによって「エネルギーのもととなる栄養素」「体を作る栄養素」「体の調子を整える栄養素」の3つのグループに分けられます。
まずは、五大栄養素の働きを解説します。

炭水化物

炭水化物とは、体に必要なエネルギーのもとになる栄養素です。
体内に取り入れられた炭水化物は、消化酵素によってエネルギー源となる「糖質」と、体内の消化酵素では消化できない「食物繊維」に分かれます。

エネルギー源になるのは糖質で、消化されてブドウ糖となった後に体内に吸収され、脳や筋肉の働きを助けます。食物繊維の主な働きは、便通を整える、余分な脂質・糖・ナトリウムなどを体外に排出して肥満になりにくくすることです。

特に、脳のエネルギー源は主にブドウ糖のため、適切に糖質をとらないと仕事や勉強で力を発揮することができません。エネルギー不足で疲れやすくなることもあります。
ただし、エネルギー源として使いきれなかった糖質は中性脂肪となって蓄えられ、肥満の原因になるため注意しましょう。米や麺、パンなどの穀類、芋類、果実は炭水化物を多く含みます。

脂質

脂質も体のエネルギー源として欠かせない栄養素であり、少ない量でたくさんのエネルギーを産生できる効率の良さが特徴です。油や調味料、肉類、魚類などに多く含まれています。

脂肪というと体に悪いもののように思われがちですが、血中のコレステロールや中性脂肪を増加させるのは動物性油脂に多い「飽和脂肪酸」で、植物性油脂や魚に多く含まれる「不飽和脂肪酸」には血中に増えたコレステロールや中性脂肪を減らす働きがあります。

そのため、バランスをとりながら不飽和脂肪酸を意識的にとることが重要です。

たんぱく質

たんぱく質は、糖質や脂質が不足しているときのエネルギー源として働くほか、筋肉や皮膚、ホルモン、酵素、抗体といった体内の調節に欠かせない成分のもとになります。体力や免疫力などを維持する上でも欠かせません。

ただし、とり過ぎると腎臓に負担がかかるおそれがあるため、過度の摂取は控えましょう。たんぱく質は、肉類や魚介類、豆類、卵、乳製品などに多く含まれています。

ミネラル

ミネラルは、酸素、炭素、水素、窒素以外の元素の総称です。
体内にある量が多いものは「多量(主要)ミネラル」、少ないものは「微量ミネラル」に分けられます。ミネラルは体内で作ることはできないため、常に食事からの摂取が必要です。

中でも以下の16種類は「必須ミネラル」と呼ばれ、重要な働きをしています。積極的にとることを心掛けましょう。

<多量(主要)ミネラル>
・ナトリウム
・塩素
・カリウム
・カルシウム
・マグネシウム
・リン
・イオウ

<微量ミネラル>
・鉄
・亜鉛
・銅
・マンガン
・コバルト
・ヨウ素
・セレン
・クロム
・モリブデン

ミネラルの働きや、多く含む食品については、以下の記事をご覧ください。

五大栄養素とは?それぞれの働きと、各栄養素を多く含む食品を解説

ビタミン

人間の体の機能を正常に保つビタミンは、体内ではほぼ作ることができず、食事からの摂取が必須です。ビタミンは、脂に溶けやすい「脂溶性ビタミン」と、水に溶けやすい「水溶性ビタミン」に分けられます。

脂溶性ビタミンは、脂肪組織や肝臓に貯蔵され、目や皮膚、爪、歯、骨などの健康を維持するビタミンです。また、動脈硬化・がん・免疫機能低下・老化などの原因になる活性酸素を取り除きます。水溶性ビタミンは、血液などに溶け込んで代謝に関わる酵素の働きを助けます。

脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンの種類は、以下のとおりです。

<脂溶性ビタミン>
・ビタミンA
・ビタミンD
・ビタミンE
・ビタミンK

<水溶性ビタミン>
・ビタミンB群(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)
・ビタミンC

ビタミンの働きや、多く含む食品については、以下の記事をご覧ください。

五大栄養素とは?それぞれの働きと、各栄養素を多く含む食品を解説


管理栄養士がおすすめする、毎日食べるといいもの10選

体に必要な栄養素がわかっても、具体的に何を食べるといいのか悩みますよね。ここからは、体に必要な栄養素をしっかり補給できて、毎日の食事も取り入れやすい、管理栄養士おすすめの「毎日食べるといいもの」をご紹介します。

1 ごはん(お米、白米)

毎日欠かせない主食の中でも、おすすめはごはん(お米、白米)です。ごはんは、脳や筋肉のエネルギー源となる糖質を効率良くとることができます。食物繊維やたんぱく質を含む一方、脂質は少ないので、脂質が気になる方にもおすすめです。

また、和洋中さまざまなメニューに合わせやすく、お弁当やおにぎりにして持ち運ぶこともできます。粒状なので腹持ちが良く、消化がゆっくり進むのも特徴です。食物繊維をさらに多くとりたい場合は、ごはんに玄米やもち麦などを混ぜて炊いてもいいですね。

2 納豆

納豆は「畑の肉」とも呼ばれる大豆からできており、たんぱく質や鉄分、カルシウムを手軽に補給できる優れた食品です。蒸した大豆に納豆菌を加えて発酵させる発酵食品であり、腸内の善玉菌を増やす働きも期待できます。
価格が安価で安定している上、加熱不要ですぐ食べられる手軽さも魅力です。

3 豆腐

豆腐も納豆と同じく大豆からできています。値段が安くスーパーに行けば必ず手に入る食品でありながら、良質なたんぱく質を多く含み、カルシウムや鉄分も摂取できます。料理のかさましに使って、エネルギー量を抑えるのもおすすめです。

豆腐には、木綿豆腐と絹ごし豆腐があります。作り方の違いから、木綿豆腐のほうが絹ごし豆腐よりもたんぱく質、カルシウム、鉄分が多く、絹ごし豆腐は木綿豆腐よりもビタミンB群やカリウムなどのミネラルを多く含んでいます。好みやとりたい栄養素に合わせて選んでみてください。

4 トマト

多様な栄養素を含むトマトは、洗ってそのまま食べられる手軽さが魅力です。美肌効果が期待できるビタミンCや、抗酸化力が強いリコピン、水溶性食物繊維のペクチンが豊富に含まれています。リコピンは脂溶性で熱にも強いため、炒めものや煮込み料理、スープなどに使うのもおすすめですよ。

ミニトマトやフルーツトマトなどさまざまな品種が販売されているので、食べ比べて好みの品種を探してみましょう。

5 しめじ

しめじは食物繊維が豊富なので、食後の血糖値の急激な上昇を抑制する効果が期待できます。免疫力を強化する食物繊維の一種のβ-グルカンや、カリウム、ビタミンも豊富です。うま味成分のグルタミン酸も含まれています。

しめじをはじめとしたきのこ類は、エネルギー量が少なく満腹感があるため、料理のかさましにも便利です。また、季節に関わらず価格が安定しており、さまざまな料理に使えるため、ぜひ毎日取り入れましょう。

6 めかぶ

めかぶには、カルシウム、マグネシウムなど、人間の体の健康を維持するのに欠かせないミネラルが含まれています。胎児の成長に効果的なヨウ素も多く含んでいるので、妊活や妊娠中の方にもおすすめです。

また、水溶性の食物繊維も豊富で、中でもネバネバした海藻類に多いフコイダンは高い健康効果があるとして研究が進んでいます。味付け済みで3パック入りなど続けやすい形での販売が多いので、1日1食どこかで取り入れてみるといいでしょう。

7 バナナ

皮をむくだけで食べられるバナナは、安価でさまざまな栄養素を含んでいます。スポーツ選手が試合や練習の合間に食べていることからもわかるように、すみやかに糖質を補給しエネルギー源になる食品でもあります。腹持ちがいいので、朝食やおやつとして食べるのもおすすめです。

バナナは体に不可欠なミネラルやビタミンの中でも、余分なナトリウムの排出を助けるカリウムや、たんぱく質代謝に不可欠なビタミンB6が含まれています。

8 キウイフルーツ

半分に切ってスプーンでくりぬいて食べられるキウイは、おやつにも食後のデザートにもぴったりの果実です。

キウイフルーツは、体内で合成できないビタミンCが豊富で、可食部100gあたり約71mgのビタミンCを含んでいます。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」が定めている、ビタミンCの摂取推奨量(成人)は100mgなので、キウイフルーツ1個で1日に必要なビタミンCの約7割がとれます。

血糖値上昇の抑制や、血液中のコレステロール濃度の低下が期待できる食物繊維が多いのも特徴です。

9 ヨーグルト

ヨーグルトは、牛乳に乳酸菌を加えて発酵させたものです。牛乳のたんぱく質は、コレステロールの吸収を抑えたり合成を防いだりすることができます。また、乳酸菌は腸内の悪玉菌の繁殖を抑制して、腸内環境を整える働きもあります。

乳酸菌の種類も多様で、低糖質・低脂肪のものやフルーツ入りのものなど、さまざまなタイプのヨーグルトが販売されているので、自分に合う食感や味を選んで毎日の食事にプラスしましょう。

10 卵

卵は、ビタミンCと食物繊維以外のすべての栄養素を含むことから、「完全栄養食」と呼ばれています。たんぱく質を構成するアミノ酸のうち、体内で合成できない9種類のアミノ酸をバランス良く含む「アミノ酸スコア100」の食品でもあり、良質なたんぱく質を摂取できる上に効率良くたんぱく質を利用することができます。


毎日の食事の注意点

ここまでご紹介した食品は、毎日食べると体にいい影響が期待できます。ただし、どんなに体にいいものでも、とり方を間違えれば逆効果になることもあります。 ここからは、毎日の食事で注意したい点について確認しておきましょう。

毎日これだけ食べていればOKというものはない

毎日食べるといいものは、「毎日どれか1つを食べ続ければ健康になる」わけではありません。また、「毎日食べるといいものだけを食べていれば健康になれる」わけではないことにも注意してください。偏食をすると、特定の栄養素のとり過ぎや、体に不可欠な栄養素の不足につながり、健康を害することがあります。
1日3回の食事や間食に毎日食べるといいものをバランス良く取り入れ、適量を摂取しましょう。

体に必要な栄養素を、さまざまな食品からバランス良くとる

体に必要な栄養素をまんべんなくとるためにご紹介した「毎日食べるといいもの」とそのほかの食品を上手に組み合わせて、栄養バランスの整った食事を目指しましょう。
栄養バランスの整った食事とは、冒頭でご紹介した炭水化物、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミンの5つを、過不足ない量で適切に補給できる食事のことです。

食品の色をチェックすると、含まれる栄養素を大まかに判断することができます。食品は、以下のように「赤色の食品」「黄色の食品」「緑色の食品」に分けられ、色によって栄養素の働きが異なります。

<食品の色と代表的な食品>
・赤色の食品(血や肉を作る):肉、魚、卵、大豆、牛乳
・黄色の食品(働く力になる食品):ごはん、パン、芋類、砂糖、油
・緑色の食品(体の調子を整える食品):野菜、海藻、果実

上記を参考に3色の食品からそれぞれ取り入れると、食事の栄養バランスが整います。

1日3食、主食・主菜・副菜を食べるのが基本

食生活の基本は、1日3食、主食・主菜・副菜を食べることです。「忙しいので、朝食をとらずに登校する」「昼食を抜いて仕事をする」といった欠食を続けていると、まとめ食いやドカ食いの原因になり、肥満につながるリスクが高くなります。

欠食で1日の食事回数が少なくなると、体脂肪やコレステロールの合成が進むことにも注意しましょう。また、欠食をすると、長い人生での食事回数が減って重要な栄養素をとる機会が減り、老後の生活の質に影響を及ぼす可能性もあります。

持病がある場合は、主治医に相談する

今回ご紹介した毎日食べるといいものは、健康状態が良好な方を想定したものです。健康状態によっては、摂取に制限がある栄養素や食品もあるため、持病がある方は主治医に相談しましょう。


食生活のサポートに、冷凍宅配弁当を活用しよう

体にいいものを効率良く取り入れるためには、「毎日食べるといいもの」を参考にするのがおすすめです。ただし、それだけでは不足する栄養素が多いため、1日3食の食事を充実させて栄養バランスを整える必要があります。

ニチレイフーズダイレクトの「気くばり御膳Ⓡ」は、電子レンジで加熱するだけで、多彩な食品をとることができる人気の冷凍宅配弁当です。野菜を1食で100g以上(芋類、きのこ類、海藻類、豆類を含む。生鮮換算)とることができるので、簡単にバランスが整った食卓になりますよ。

実際に試した方からは、「メインの料理だけでなく、バラエティ豊かな副菜がいくつか入っていたので大満足です」「気くばりの名に恥じないおいしさと健康のバランス」といった声が届いています。

気くばり御膳Ⓡお試し4食セットについては、以下のページをご覧ください。


毎日食べるといいものを取り入れて、健康的な毎日を!

仕事や勉強、家事などで忙しい方にとって、「毎日食べるといいもの」は健康の強い味方です。一方で、同じものばかり食べていては栄養素が偏って体調を崩してしまいます。毎日食べるといいといわれる健康的な食品を活用しつつ、いろいろなものをバランス良く食べるようにしましょう。

冷凍宅配弁当なら、さまざまな食品を手軽にとることができます。バランスの整った食事は、毎日続けてこそメリットがあるものです。便利な冷凍宅配弁当も活用しながら、無理なく継続していきましょう!


毎日食べるといいものは?
毎日食べるといいものとして管理栄養士の清水加奈子さんがおすすめするのは、ごはん、納豆、豆腐、トマト、しめじ、めかぶ、バナナ、キウイフルーツ、ヨーグルト、卵の10の食品です。
ただし、これらの食品は、それだけを食べ続けていれば健康になれるわけではありません。偏食は特定の栄養素のとり過ぎや、体に不可欠な栄養素の不足につながるため、ほかの食品と組み合わせることをおすすめします。
理想的な食事とは?
理想的な食事とは、1日3食、主食・主菜・副菜を食べることを基本とし、炭水化物、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミンの5つの栄養素を過不足なく取り入れた食事です。健康状態によっては、摂取に制限がある栄養素もあるため、持病がある方は主治医に相談しましょう。

監修清水加奈子
管理栄養士、国際中医薬膳師、国際中医師。栄養学・中医学・薬膳の専門知識を持つフードコーディネーターとして、多数のメディアでダイエットレシピの提案や監修で幅広く活躍中。
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