記事詳細
最も病気になりにくいとされる標準体重を目指すダイエットには、食事の質と量のコントロールが欠かせません。食事制限をする場合は、必要な栄養素を過不足なくとることが重要です。
本記事では、ダイエット中に積極的に摂取したい栄養素や摂取の仕方に注意が必要な栄養素、ダイエットにおすすめのメニューを紹介します。
ダイエットとは、標準体重を目指すこと
「ダイエット」というと、すらっとした見た目を目指して体を絞ることや、体重を減らすことを思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、そもそもダイエットは、「健康の維持・改善のための食事療法」を表す言葉です。まずは「自分はダイエットをする必要があるのか」から考える必要があります。詳しくは後述しますが、標準体重を超えていて、健康を害する可能性がある場合にダイエットを検討しましょう。
食事制限には注意が必要
標準体重を目指したダイエットを行う場合、食事制限には注意が必要です。「同じ食品ばかり食べる」「食事を抜く」といった極端なダイエットは、必要なエネルギーや栄養素をとることができず、健康リスクを高める可能性があります。
「呼吸する」「心臓を動かす」「体温を調節する」といった、安静状態で生命活動を維持するために消費される必要最小限のエネルギー量を「基礎代謝」といいます。寝ているだけでも多くのエネルギー量を必要とし、たとえ活発に活動しなくても、基礎代謝量に相当するエネルギーは食事から摂取しなくてはなりません。
食事制限だけでなく、運動も取り入れる
健康的な体づくりには、適度な運動によるエネルギーの消費や筋肉量の維持が欠かせません。こまめにストレッチをしたり、エレベーターやエスカレーターではなく階段を使ったりして、少しでも体を動かすようにしましょう。
標準体重はBMIが22となるときの体重
自分の現状を知り、ダイエットが必要か否かを判断する基準になるのが標準体重です。標準体重は、国際的な肥満判定指標であるBMI(Body Mass Index:体格指数)が22になる状態で、最も病気になりにくいといわれています。
ダイエットで体重をコントロールする際には、この数値を目標にするといいでしょう。標準体重の人はダイエットをする必要はありません。
標準体重は、身長(m)を2乗した値に「22」を掛けることで簡単に算出できます。
<標準体重の計算式>
標準体重=身長(m)×身長(m)×22
一例として、身長160cmの人の標準体重を計算してみましょう。
<身長160cmの人の標準体重>
1.6(m)×1.6(m)×22=56.32(kg)
上記の式より、身長160cmの人が体重をコントロールする場合、目標にする体重は「56.32kg」となります。
積極的に摂取したい栄養素
続いては、ダイエット中に積極的に摂取したい栄養素を3つ紹介します。食事制限をする際には、これらの栄養素が不足しないように注意してください。
食物繊維:余分な脂質や糖、ナトリウムなどを排出する栄養素
食物繊維は、糖質やたんぱく質、脂質と違って人の消化酵素で消化されず、小腸から大腸に達したのちに整腸作用などの働きをする栄養素です。食物繊維には小腸での糖質の吸収消化をゆるやかにする働きがあるので、血糖値のコントロールに役立ちます。
また、食物繊維は水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維に分けられ、水溶性食物繊維は腸内細菌が好んでエサにすることでも知られています。多様な食品から水溶性食物繊維を摂取することで、腸内細菌が多様に増え、便通にも良い効果が見込めるでしょう。さらには、余分な脂質や糖、ナトリウムなどを吸着して、体外に排出する働きもあります。
食物繊維を含む食品は噛み応えがあるものが多く、自然と噛む回数が増えることで、少量の食事で満足感が得られるというメリットもあります。
たんぱく質:筋肉量を維持するのに不可欠な栄養素
体重を落とすことだけにフォーカスして極端な食事制限をすると、体重とともに筋肉量が減少します。基礎代謝は筋肉量に比例して増減するため、筋肉量が低下すると消費できるエネルギーも減り、摂取したエネルギーを溜め込みやすくなります。せっかく食事量をコントロールし、運動量を増やしても、成果につながりにくいのはそのためです。
そこで、積極的に摂取したいのがたんぱく質です。たんぱく質は、筋肉や臓器、皮膚、髪の毛といった体を構成する成分や、ホルモン、酵素、抗体などの体の機能を調整する成分を生成します。ダイエット中には積極的にとり、筋肉量の増加につなげましょう。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によれば、たんぱく質の推定平均必要量は、成人男性で1日50g、成人女性で1日40gとなっています。ただし、適度な運動はたんぱく質の利用量を増やし、激しい運動はたんぱく質の分解を促進させます。そのため、激しい運動をしている人は、運動量に応じてたんぱく質の摂取量を増やすことが大切です。
ビタミン:三大栄養素の代謝を助ける栄養素
ビタミンは、人体の機能を正常に保つ働きをする有機化合物で、「水溶性ビタミン」と「脂溶性ビタミン」に分けられます。水溶性ビタミンは、ビタミンB群(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)とビタミンCです。脂溶性ビタミンには、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKが該当します。ビタミンB群などビタミンの一部は、三大栄養素である糖質、脂質、たんぱく質の肝臓での代謝を助けます。
ビタミンはほとんど体内で合成することができず、食品から摂取する必要があります。さらに、水溶性ビタミンは、脂溶性ビタミンに比べて体内からの排出が速いのが特徴です。不足しないよう、こまめに摂取する必要があります。
ダイエット中に注意したい栄養素
ダイエットをする上でとり方に注意したいのが、糖質と脂質です。どちらも心身の健康を維持する上で欠かせないエネルギー源ですが、多くとりすぎたり、活動量が少なくて消費しきれなかったりすると、余った分が体に蓄積されてしまうためです。それぞれの働きと注意点について見ていきましょう。
糖質の働きと注意点
糖質は、米やパン、麺類などの主食のほか、いも類やとうもろこしなどに含まれており、日本人が通常の食事から摂取するエネルギーの60%前後は糖質だといわれています。
糖質が不足すると健康を害するおそれがあるため、極端に摂取量を減らすのは危険です。脂質の代謝にも関わっているため、適量を摂取することを心掛けてください。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、糖質の代表的な供給源である炭水化物から摂取するエネルギーについて、1日の総摂取エネルギーのうち50~65%が望ましいとしています。
一方で、糖質をとりすぎてエネルギーとして消費しきれなかった場合、残った糖質は中性脂肪として体に溜め込まれます。1日に必要なエネルギーは、比較的活動量が少ない成人男性で2,000~2,400kcal/日、同様の成人女性で1,400~2,000kcalとされていますから、糖質を減らす場合はこの数値を基準として摂取量をコントロールするといいでしょう。
太る原因は糖質そのものではなく、摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスがとれていないこと。現状を維持するなら摂取エネルギーと消費エネルギーを同量に、ダイエットしたいなら摂取エネルギーより消費エネルギーを増やしてください。主食を全体的に軽めにして、朝より昼、昼より夜の糖質摂取量を減らすと効果が期待できます。
脂質の働きと注意点
脂質は、たんぱく質や糖質に比べて、少量で多くのエネルギーを生み出す効率の良いエネルギー源です。炭水化物に含まれる糖質は即効性があるのに対し、脂質はほかのエネルギー源が不足した場合の予備的な働きをします。
脂質はその種類によって働きが異なります。とりすぎが問題になるのは、動物性脂肪に含まれる飽和脂肪酸です。植物性の油や魚介類に含まれる不飽和脂肪酸の中には、体内で合成できない必須脂肪酸も含まれているため、適度に摂取するといいでしょう。
管理栄養士が選ぶ、ダイエットにおすすめのメニュー
ダイエットで意識してとるべき栄養素や、摂取の仕方に注意したい栄養素がわかっても、毎日の献立に活かすとなるとなかなかアイディアが浮かばないのではないでしょうか。ここからは、自宅で簡単に実践できる、ダイエットにおすすめのメニューをご紹介します。
オートミールを使ったメニュー
オートミールは、オーツ麦を脱穀して食べやすく加工したもので、たんぱく質や食物繊維、ミネラルが豊富です。シリアルと同じように牛乳や水でふやかして食べるのが一般的で、さまざまなメニューにアレンジできます。
・オートミールのトマトリゾット
画像の出典:ほほえみごはんⓇ「 【オートミールの人気レシピ】1袋みるみる消費!簡単で美味しく朝食にも◎ 」
オートミールはリゾットにすることで水分を吸ってもっちりした食感になり、満足感がアップします。牛乳や水で食べるだけではなんとなく物足りない方や、オートミール独特の乾いた食感や風味が気になる方にもおすすめです。トマトとチーズの旨みで「しっかり食べた」感覚があり、食べすぎも防げます。
オートミールのトマトリゾットの詳しいレシピは、下記の記事をご覧ください。
ほほえみごはんⓇ「 【オートミールの人気レシピ】1袋みるみる消費!簡単で美味しく朝食にも◎ 」
・オートミールの卵粥
画像の出典:ほほえみごはんⓇ「 【オートミールの人気レシピ】1袋みるみる消費!簡単で美味しく朝食にも◎ 」
オートミールをお粥やリゾットにする場合、クリーム系や中華風、韓国風と、多様なバリエーションの味付けにマッチします。お粥にすると少量でも満足感が得られるため、摂取エネルギーを減らすことが可能です。調理も簡単で胃腸に優しく、夜遅めのごはんにもぴったりです。
オートミールの卵粥の詳しいレシピは、下記の記事をご覧ください。
ほほえみごはんⓇ「 【オートミールの人気レシピ】1袋みるみる消費!簡単で美味しく朝食にも◎ 」
・オーバーナイトオーツ
画像の出典:ほほえみごはんⓇ「 【オートミールの人気レシピ】1袋みるみる消費!簡単で美味しく朝食にも◎ 」
オーバーナイトオーツは、オートミールを牛乳などと合わせて冷蔵庫に入れてひと晩置く食べ方です。夜のうちにしっかり水分を吸っているので、フルーツなどをのせるだけでおいしく食べられ、忙しい朝に最適。デザートや間食にも、罪悪感なく食べられるうれしいメニューです。
オーバーナイトオーツの詳しいレシピは、下記の記事をご覧ください。
ほほえみごはんⓇ「 【オートミールの人気レシピ】1袋みるみる消費!簡単で美味しく朝食にも◎ 」
しらたきを使ったメニュー
先程紹介したように、米に含まれる糖質はダイエット中には摂取量に注意したい食品のひとつですが、しらたきを利用することで、米を食べる量と摂取エネルギーを減らすことができます。こんにゃく芋が原料のしらたきは、食物繊維が豊富で噛み応えがあるのが特徴です。
・しらたきごはん
画像の出典:ほほえみごはんⓇ「 【しらたきごはんの美味しいレシピ】毎日の食事で25%もカロリーオフ 」
しらたきを下茹でして細かく刻み、米といっしょに炊飯器で炊き上げれば、見た目も味も白米だけのごはんとほとんど変わらず、おいしく食べられます。大幅に糖質オフ・カロリーオフできるので、酢飯、チャーハン、カレーなど、ごはんをたっぷり使うメニューにもおすすめです。
しらたきごはんの詳しいレシピは、下記の記事をご覧ください。
ほほえみごはんⓇ「 しらたきごはんの美味しいレシピ】毎日の食事で25%もカロリーオフ 」
野菜やきのこがたっぷりとれるメニュー
野菜やきのこは食物繊維やビタミン、ミネラルを含むものが多いため、ダイエット中におすすめの食品です。野菜がたっぷりとれるメニューを紹介します。
・キャベツ×豚肉のしゃぶしゃぶ
画像の出典:ほほえみごはんⓇ「 キャベツ&豚肉の鍋レシピ3選。鶏ガラ・さっぱりポン酢・ミルフィーユ 」
豚肉は、バラに比べて脂の少ないロースにするのがポイントです。しゃぶしゃぶにすることで、さらに余分な脂を落とせます。キャベツをたっぷり使うと満足感がアップします。締めのうどんや雑炊は控えめにしましょう。
キャベツ×豚肉のしゃぶしゃぶの詳しいレシピは、下記の記事をご覧ください。
ほほえみごはんⓇ「 キャベツ&豚肉の鍋レシピ3選。鶏ガラ・さっぱりポン酢・ミルフィーユ 」
・きのこのマリネ
画像の出典:ほほえみごはんⓇ「 【きのこ簡単レシピ5選】お弁当&常備菜におすすめ! 」
食物繊維を多く含むきのこは、ダイエットの強い味方です。きのこのマリネは、電子レンジで加熱することでかさが減り、たくさん食べられます。お米を減らしても食事に満足感があり、糖質をとりすぎずに済むでしょう。不飽和脂肪酸であるオレイン酸を含むオリーブオイルを使っている点もダイエット向きです。
きのこのマリネの詳しいレシピは、下記の記事をご覧ください。
ほほえみごはんⓇ「 【きのこ簡単レシピ5選】お弁当&常備菜におすすめ! 」
・野菜コンソメスープ
画像の出典:ほほえみごはんⓇ「 【胃にやさしい】冷凍ストックできるスープレシピ3選 」
野菜スープは、野菜を細かく切ってしっかり煮込むと、野菜をたくさん食べられて消化もしやすくなります。
作ったスープは冷凍用保存容器に入れて密閉して冷凍すれば、2~3週間程保存が可能。まとめて作って小分けに冷凍すれば、小腹が空いたときのつなぎや間食にも使えて便利です
野菜スープの詳しいレシピは、下記の記事をご覧ください。
ほほえみごはんⓇ「 【胃にやさしい】冷凍ストックできるスープレシピ3選 」
摂取エネルギーに配慮しながら多様な食品がとれる冷凍宅配弁当
必要な栄養素を取り入れ、糖質や脂質に気を配ったメニューを毎日作れたらベストですが、そう簡単ではありません。忙しくて買い物に行く暇がない日や、作る気力がない日もあるでしょう。だからといって適当に済ませてしまうのも、せっかくがんばってきた食事への配慮が水の泡になりそうで気が進みませんよね。
そんなときは、カロリーや塩分に配慮した宅配冷凍弁当の「きくばりごぜんⓇ」がおすすめです。「きくばりごぜんⓇ」は全品300kcal以下、食塩相当量は2.0g以下、野菜使用量は100g以上(いも類、きのこ類、海藻類、豆類を含む)と、エネルギーに配慮しながら多様な食品をとることができます。
調理の手間も後片付けも不要なので、「自炊を休みたいけど、食事には気をつけたい」という日のために冷凍庫に常備しておくと安心ですよ。
「きくばりごぜんⓇ」お試し4食セットについては、下記のページをご覧ください。
栄養素を意識して標準体重を目指そう
標準体重に向けてダイエットをする場合、食事から必要な栄養素をとり、食品選びや調理方法で上手にカロリーオフするのがコツです。
紹介したダイエットにおすすめのメニューや、冷凍宅配弁当も取り入れながら、健康的に体重をコントロールしていきましょう。
- ダイエット中におすすめのメニューは?
- 野菜がたっぷりとれる「キャベツ×豚肉のしゃぶしゃぶ」や「野菜スープ」、しらたきを炊き込んで白米のごはんを減らす「しらたきごはん」のほか、オートミールを使った料理などがおすすめです。
- ダイエット中に摂取したい栄養素は?
- 脂質や糖、ナトリウムなどを排出する「食物繊維」、筋肉量を維持する「たんぱく質」、三大栄養素の代謝を助ける「ビタミン類」は積極的にとりましょう。糖質、脂質はとりすぎに注意し、適正な量をとることが大切です。