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1ヵ月あたりの生活費は、食費をはじめ通信費、水道光熱費、住居費、日用品費などに分類できます。一人暮らしの無駄な支出を減らすには、どの項目にどれだけお金を使っているかを把握し、節約できそうな項目を検討しなくてはなりません。
生活費の中でも、比較的大きな割合を占めているのが食費です。もし、一人暮らしをしていて「予想以上に生活費の支出が多く、お金が貯まらない」と感じているなら、食費を見直してみるといいかもしれません。
ここでは、一人暮らしをしている人の1ヵ月の平均的な食費や理想的な食費のほか、無理せず健康的に食費を節約する方法についてご紹介します。
統計で見る一人暮らしの食費
まずは、食費の状態を客観的に評価するために、一人暮らしの人の平均的な食費について確認してみましょう。
総務省統計局が実施した「家計調査 家計収支編 単身世帯」によると、2023年の一人暮らしの食費は平均月42,049円となっています。年齢別、年収別、男女別、勤労者世帯・無職世帯別の食費は下表のとおりです。
■1ヵ月あたりの平均食費(男女・年齢別)
年齢 | 男性 | 女性 | 平均 |
---|---|---|---|
34歳以下 | 42,747円 | 33,157円 | 38,666円 |
35~59歳 | 53,035円 | 36,100円 | 46,498円 |
60~64歳 | 43,997円 | 39,490円 | 41,078円 |
65歳以上 | 42,891円 | 39,362円 | 40,527円 |
■一人暮らしの食費(年収別)
年収 | 1ヵ月あたりの平均食費 |
---|---|
100万円未満 | 32,337円 |
100万~200万円未満 | 35,754円 |
200万~300万円未満 | 40,855円 |
300万~400万円未満 | 44,718円 |
400万~500万円未満 | 42,588円 |
500万~600万円未満 | 49,906円 |
600万円以上 | 57,178円 |
■一人暮らしの食費(勤労世帯・無職世帯別)
世帯 | 1ヵ月あたりの平均食費 |
---|---|
勤労者世帯 | 43,617円 |
無職世帯 | 39,639円 |
1ヵ月の理想的な食費は?
1ヵ月の食費は、いくらが理想的なのでしょうか。一般的には、食費は収入の10~15%に収まると良いといわれています。食費を手取りの15%とすると、1ヵ月の理想的な食費は、下記の金額になります。
自分の収入と照らし合わせて、理想的な食費を確認してみてください。
■収入別・1ヵ月の理想的な食費
手取り | 1ヵ月あたりの理想的な食費 |
---|---|
200万~300万円未満 | 25,000~37,500円 |
300万~400万円未満 | 37,500~50,000円 |
400万~500万円未満 | 50,000~62,500円 |
500万~600万円未満 | 62,500~75,000円 |
食費を節約する方法
続いては、食費を節約する方法を具体的にご紹介します。食事の量を減らしたり質を落としたりすると、必要な栄養をとることができず、健康に影響が出る可能性があります。必要な栄養を摂取しながら、食費を節約するようにしましょう。
食費の予算を決める
食費の割合が収入の15%を超えている人は、生活費を細かく見直し、「何にいくら使うのか/使えるのか」を明確にします。家賃や水道光熱費など、毎月の金額が想定しやすく、かつ確実に支払わなければならない金額を毎月の収入から差し引き、残った金額で生活費をやりくりします。
食費や被服費、交際費といった変動しやすい項目については、無理のない範囲で毎月の予算を立ててください。食費として使える金額が可視化されれば、買い物や外食などの際に、予算の残りを計算して調整することができます。
外食や中食を減らし自炊を増やす
外食や中食では材料費にサービス費、包装費などが上乗せされているため、当然自炊よりも高額になります。
また、中食ではお惣菜やお弁当を購入する際に、必要のないものまで買ってしまうことも食費がかさむ原因です。外食や中食を減らし、できるだけ自炊の割合を増やすことが、食費の削減につながります。
ただし、自炊による節約は継続が前提です。単発では、外食や中食による出費を減らす効果が薄い上に、食品や調味料が残ってしまうため、あまり効果が期待できません。夜の自炊が難しい場合は、昼食は自分で作ったお弁当にする、通勤途中にカフェで食べていた朝ごはんを自炊に変えるなど、1日3食のいずれかを自炊にすることから始めてみましょう。
自炊ができず外食する場合は、割引券やクーポンを活用する
自炊ができず外食する場合は、割引券やお得なクーポンがあるお店を利用します。独自のアプリがあるお店では、アプリ利用者限定のクーポンを出していたり、期間限定の割引メニューの情報を発信していたりすることが多いため、チェックしてからお店に行くようにするといいでしょう。
行きたいお店が決まっていない場合は、飲食店のクーポンをまとめて提供しているアプリを利用して、割引率の高いお店を選ぶのも手です。
買い物の回数を減らす
買い物に行くたびについで買いをしてしまうという人は、買い物の回数を減らすと無駄な出費が減ります。
買い物に行く回数は週に1~2回、できれば特売の日などに限定し、計画的にまとめ買いをすることで無駄遣いを避けられます。
なるべく安く食品を購入する
自炊をしても、価格の高い食品ばかり買っていては、当然ながら出費が増えるばかりです。買い物をする際は、なるべく安いお店で安い食品を選びましょう。チラシやお店のアプリなどで特売日もチェックしておくと、さらにお得に購入できます。
一般的に、同じ肉類でも牛肉より豚肉や鶏肉のほうが安く、野菜類なら玉ねぎやじゃがいも、もやし、小松菜などが、比較的価格が安定していて手に取りやすいでしょう。
また、閉店時間の少し前にお店に行くと、消費期限が近い肉や魚を、見切り品・おつとめ品などとして価格を下げて販売している場合があります。帰宅してすぐに調理するなら、こうした値引き品を購入するのも節約に有効です。
まとめ買いをして保存する
食品は、小分けで購入するよりも、ある程度まとめて購入したほうが割安な場合があります。まとめて食品を購入し、下記のような方法で保存することで、一人暮らしでも無駄なく食べきることができるでしょう。
・作り置きする
多めに購入した食品を使って作り置きし、適切に保存しておけば、帰宅してすぐ食べられるので自炊の助けにもなります。肉や魚を、酒、醤油、みりんを煮きったタレに漬け込んだり、下味をつけたりしておくだけでも調理の時短になる上、おいしく食べられます。
・冷凍保存する
まとめて購入した野菜などの食品は、簡単に下ごしらえを済ませて冷凍しておくと、自炊の際にさっと料理に野菜をプラスできるのでおすすめです。玉ねぎやにんじんは、乱切りや角切りにして冷凍しておくと、凍ったままカレーやスープに使えます。
大根はスライスしたり、食べやすく切ったりしてから、ラップにきっちり包んで冷凍するほかにも、大根おろしにして冷凍することもできます。大根おろしは保存袋に入れ、平らにして筋をつけてから冷凍しておくと、使いたい分だけ折って使えるので便利です。
・乾燥野菜にする
大根、にんじん、きのこ、トマト、きゅうり、ピーマンなどの野菜を薄く切って大きめのざるなどに並べ、天気の良い日に外に出して乾燥させると、自宅でも乾燥野菜を作ることができます。
乾燥すると保存期間が長くなるだけでなく、調理の時短になり、収納スペースを減らすこともできます。
食費の節約は、栄養素不足に注意!
食費を節約するにあたって気をつけたいのは、食費を削って必要な栄養素が不足したり、栄養バランスが崩れてしまったりすることです。食費が減っても、健康を害してしまっては元も子もありません。
食事が特定の食品に偏らないように心掛け、必要な栄養素をまんべんなくとりながら全体の費用を下げることを意識しましょう。
一人暮らしを始める人が多い20~29歳(妊産婦は除く)で不足している栄養素には、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンC、カルシウム、マグネシウムなどがあります。女性は鉄分も不足しているので注意が必要です。
これらの栄養素を多く含む食品で、比較的手軽に入手できるものには下記のようなものがあります。
(最終製品についての特長ではありません)
・ビタミンA
鶏レバー、にんじん、ドライマンゴー
・ビタミンD
鮭、さんま(缶詰)、さば(缶詰)
・ビタミンC
ブロッコリー、ピーマン、キウイフルーツ
・カルシウム
プロセスチーズ、ごま、大豆(水煮)
・マグネシウム
カットわかめ、ひじき、ココア
・鉄分
豚レバー、あさり(水煮)、がんもどき
一人暮らしの食事の基本については、下記の記事をご覧ください。
一人暮らしの食事の基本を紹介!便利な食品や食事のコツは?
食費の節約におすすめの自炊メニュー
ここからは、食費を節約したい人におすすめの自炊メニューを紹介します。料理初心者でも簡単においしく作れますので、ぜひ試してみてください。
塩鮭の蒸し焼き
画像の出典:ほほえみごはんⓇ「 【鮭の焼き方】フライパンでできる!身はふっくら、皮はパリッと仕上がる 」
生鮭よりも安価で手に入りやすい塩鮭は、節約にもビタミンDの補給にも役立ちます。フライパンで蒸し焼きにすればふっくらおいしく焼き上がり、魚焼きグリルを洗う手間もいりません。
塩鮭の焼き方の詳しいレシピは、下記の記事をご覧ください。
ほほえみごはんⓇ「
【鮭の焼き方】フライパンでできる!身はふっくら、皮はパリッと仕上がる
」
巻かない鶏ハム
画像の出典:ほほえみごはんⓇ「 鶏むね肉の「下味冷凍」レシピ。照り焼き・鶏ハム…しっとり仕上げるコツも 」
一般的には鶏もも肉より安価な鶏むね肉。特別なテクニックがなくても、塩麹の働きで肉が自然とやわらかくなり、解凍する際にゆっくりと加熱することでしっとり仕上がります。きれいにスライスしてお皿に盛り、付け合わせの野菜を添えれば立派な一品に。
巻かない鶏ハムの詳しいレシピは、下記の記事をご覧ください。
ほほえみごはんⓇ「
鶏むね肉の「下味冷凍」レシピ。照り焼き・鶏ハム…しっとり仕上げるコツも
」
もやしの焼きそば風
画像の出典:ほほえみごはんⓇ「 「もやしだけ」で作れる副菜5選。お弁当にも使える♪ 」
誰もが納得の節約食材、もやし。一年を通じて安定した低価格で、お財布に優しい野菜です。もやしといえば付け合わせの印象ですが、この「焼きそば風」は見た目も味も焼きそばそのもので、楽しく食べられます。麺と違って糖質を気にせず食べられるのもメリットでしょう。
もやしの焼きそばの詳しいレシピは、下記の記事をご覧ください。
ほほえみごはんⓇ「
「もやしだけ」で作れる副菜5選。お弁当にも使える♪
」
焼きおにぎり
画像の出典:ほほえみごはんⓇ「 【おにぎりの冷凍保存】具材や解凍方法を解説!焼きおにぎりの作り置きも 」
ごはんが温かいうちに握ってラップで包むと、乾燥を防いでおいしさをキープできます。中でも焼きおにぎりは、味が変わりにくいので冷凍向きです。たくさん作って冷凍しておけば、小腹が減ったときにわざわざ焼かなくてもすぐ食べられます。
焼きおにぎりの詳しいレシピは、下記の記事をご覧ください。
ほほえみごはんⓇ「
【おにぎりの冷凍保存】具材や解凍方法を解説!焼きおにぎりの作り置きも
」
一人暮らしで食費を節約するなら、冷凍宅配弁当も活用しよう
無駄な買い物を減らすには、定期的に届く冷凍宅配弁当の活用もおすすめです。出来上がったお弁当が家に届くので、買い物や手の込んだ調理の必要がなく、ついでに無駄遣いをする心配もありません。
ニチレイフーズの「 きくばりごぜんⓇ 」は、しっかりした味付けでカロリーは300kcal以下、食塩相当量は2.0g以下。一人暮らしで不足しがちな野菜が1食につき100g以上含まれています(いも類、きのこ類、海藻類、豆類を含む。生鮮換算)。勉強や仕事で忙しい日々でも、簡単に栄養バランスを整えることができます。
きくばりごぜんⓇについては、下記のページをご覧ください。
一人暮らしの食費節約は、健康への配慮も忘れずに
一人暮らしの食費について、理想的な食費の計算や節約の方法について解説しました。一人暮らしの食費はさまざまな方法で節約できますが、大切なのは栄養のバランスを大切にすることです。
1食でしっかり栄養がとれる冷凍宅配弁当も活用して、健康に配慮しながら節約に取り組みましょう。
- 一人暮らしの食費はいくら?
- 総務省統計局が実施した「家計調査(単身)勤労世帯」によると、2021年の一人暮らしの食費は平均月42,049円となっています。
- 一人暮らしの理想の食費は?
- 一般的に、食費は収入の10~15%が理想だといわれています。年収300万円の場合、年収の15%は月37,500円です。