記事詳細
たくさん食べているように見えるのになぜか太らない人を見ると、うらやましい気持ちになりますよね。「体質が違うのかな?」「見えないところで食事を抜いているのかな?」と、疑問に思うことも多いでしょう。
太りにくい人は、食事のとり方や食品の選び方を工夫しているのかもしれません。
本記事では、太りにくい食事のコツとして、すぐに実践できる食事のとり方やおすすめの食品をご紹介します。人が太る理由や1日に必要なカロリーなど、食事管理の基本も併せて確認しておきましょう。
人はなぜ太ったりやせたりするのか?
そもそも、人はなぜ太ったりやせたりするのでしょうか。太りにくい状態を知るために、基本的な体の仕組みを確認しておきましょう。
体重の増減には、1日に必要なカロリーと実際に食べている食事の量、運動量が大きく影響しています。
原則として人間の体は、運動で消費するカロリーよりも摂取するカロリーが多ければ太り、少なければやせます。
ただし、極端に食事を減らしたり、運動量だけを急激に増やしたりするダイエットは、一時的には体重が落ちてもリバウンドしやすく、根本的な解決にはなりません。急な体重減少で筋肉まで落ちてしまうため、代謝が低下し、かえって太りやすくなることもあります。
そのため、ダイエットは健康維持を目的とし、日常生活での運動を取り入れて摂取カロリーとのバランスをとることが大切です。健康上の理由などで体重を落としたい場合は、摂取カロリーを必要量にとどめ、消費カロリーを増やすといいでしょう。
なお、カロリーは本来「エネルギーの単位」を示す言葉ですが、本記事では一般的な会話などで使われている言葉の概念に合わせ、「エネルギー量」を指す言葉として使用しています。
1日に必要なカロリー
1日に必要なカロリーは、年齢、性別、身長、体重などから推定される「推定エネルギー必要量」として示されています。1日の推定エネルギー必要量は、以下の式で求められます。
<推定エネルギー必要量の計算式>
推定エネルギー必要量(kcal/日)=基礎代謝量(kcal/日)×身体活動レベル
計算に必要な基礎代謝量と身体活動レベルは、以下のとおりです。
性別 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
18~29歳 | 23.7 | 22.1 |
30~49歳 | 22.5 | 21.9 |
50~64歳 | 21.8 | 20.7 |
65~74歳 | 21.6 | 20.7 |
74歳以上 | 21.5 | 20.7 |
<身体活動レベル>
・低い(I):1.50(1.40~1.60)
生活のほとんどを座って過ごしている。活動はするが、静的な活動が中心。
・普通(II):1.75(1.60~1.90)
デスクワークなど座り仕事が中心だが、職場内で立って移動したり、時に立ったままの作業や接客をしたりすることを含む。あるいは、通勤、買い物、家事、軽いスポーツなどで体を動かしている。
・高い(III):2.00(1.90~2.20)
移動したり、立って仕事をしたりすることが多い。あるいは、余暇にスポーツをして過ごすなど、活発な運動習慣を持っている。
なお、活動量が少ない成人の推定エネルギー必要量は、女性1,400~2,000kcal/日、男性2,000~2,400kcal/日程度が目安です。
太りにくい食事のとり方
太りにくい食事をするためには、前項でご紹介した消費カロリーと摂取カロリーを意識しつつ、「食事のとり方」と「食べるもの」にも注意することが重要です。
まずは、食事のとり方から見ていきましょう。
食事は1日3回、欠食はしない
体重のことだけに注目すると、「食べなければやせる」と考えるかもしれません。しかし、太りにくい食事の基本は1日3食で、欠食は厳禁です。
1日の食事の回数を減らすと、限られた食事のタイミングでたくさん食べてしまい、かえって太りやすくなる可能性があるためです。
これは、食事をすると血糖値が上がり、上がった血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが分泌される仕組みと関係しています。食事の間隔が空いて空腹になった状態で一気に食品をとると、血糖値が急上昇し、インスリンも大量に分泌されます。
インスリンには血中の糖分を脂肪に変えて溜め込む働きがあるため、インスリンが大量に分泌されると必要以上に脂肪が蓄積されてしまうのです。
1日の食事のバランスは、「朝:昼:夜=3:4:3または3:3:4」を心掛け、1食に偏らないようにしてください。
1食のバランスに気を配る
効率良く栄養を摂取して健康に過ごすためには、1回の食事の中でも栄養バランスを整えることが理想です。主食・主菜・副菜を毎食とるようにすると、食事のバランスを整えやすくなります。
主食・主菜・副菜には、それぞれ次のような役割があります。推定エネルギー必要量の中で、まんべんなく栄養をとりましょう。
<主食・主菜・副菜の役割>
・主食
穀類(ごはん、パン、麺類)など。体や脳のエネルギー源になる糖質がとれる。
・主菜
肉や魚、卵、大豆など。体を作るたんぱく源がとれる。
・副菜
野菜やきのこ類、海藻など。体の調子を整えるビタミンやミネラル、食物繊維がとれる。
調理方法を工夫する
同じ食材でも、調理方法によってカロリーや脂質が大きく変わります。
太りにくい食事を意識するなら、「揚げる」「マヨネーズで和える」といった油を使う調理法は避けたほうが良いでしょう。油を使わず、素材に含まれる油を落とすことができる「ゆでる」「蒸す」「電子レンジ加熱」といった調理法がおすすめです。
特に、電子レンジ調理は、ゆでたり、蒸したりすると逃げやすい、水溶性ビタミンやミネラルの損失を防ぐことができます。
食物繊維を含む食品から食べる
食物繊維を含む食品から食べ始めるのも、太りにくい食事の基本です。
食物繊維は小腸で消化・吸収されずに、大腸まで達する食品成分です。副菜のほか、主食を玄米ごはん、麦ごはん、胚芽米ごはん、全粒小麦パンなどに置き換えると効率的に摂取できます。
多くの日本人が目標摂取量に達していないため、工夫してとるようにしましょう。
併せて、糖質を含む食材は、最初に食べないようにしてください。
三大栄養素であるたんぱく質、糖質、脂質のうち、血糖値を上げやすいのは糖質なので、糖質を後回しにすることで血糖値の乱高下を抑えられます。
よく噛んで、ゆっくり食べる
2009年に厚生労働省が実施した「国民健康・栄養調査」の結果によれば、肥満の人ほど食べる速度が速いことを自覚しており、実際に速食いの習慣がある人は肥満度が高いことがわかっています。
速食いをすると、脳に満腹のサインが伝わる前に大量の食事をしてしまい、食欲を抑えにくくなります。食事はよく噛んで、ゆっくり食べることが大切です。
遅い時間に食事をしない
夜遅い時間は、食事からとったカロリーが消費されにくく、余ったカロリーが体脂肪として蓄積されやすくなります。
どうしても遅くなる日は糖質や脂質は避け、消化の良いたんぱく質を中心にしましょう。野菜料理などの副菜を増やし、カロリーを上げずに食事のボリュームを出しておなかを満たすのもおすすめです。
夕食まで長い時間が空くことがわかっている場合は、間食におにぎりや果実、乳製品などをとると夕食のとり過ぎを防ぐことができますよ。
太りにくい食事におすすめの食品
太りにくい食事につながる食べ方を覚えたら、食べるものにも気を配りましょう。ここでは、太りにくい食品をご紹介します。
鶏料理なら「鶏むね肉」を使う
鶏肉を使った料理をするなら、鶏もも肉よりも脂質が少ない鶏むね肉を選びましょう。皮を取り除くと、さらに脂質が少なくなります。
鶏むね肉は、脂質量が少ないことに加え、筋肉の発達に欠かせないたんぱく質を多く含む食品の代表格でもあります。糖質もほぼ含まないため、健康的な体づくりをしたい方は意識的にメニューに取り入れたい食品です。
豚肉を食べるときは「豚しゃぶ」に
豚肉料理の中では、油を使うとんかつや生姜焼きより豚しゃぶがおすすめです。
焼く、ゆでる、蒸す、揚げるなどの調理法のうち、最もカロリーを落とせるのはゆでる、蒸すといった調理法です。豚しゃぶなら、ゆでることで脂質が減り、いっしょに野菜もたっぷりとることができます。
おやつを食べるなら「寒天」を選ぶ
食べるタイミングと食べる物、食べる量にさえ気をつければ、ダイエット中でも間食を取り入れることができます。昼食から夕食のあいだに食べるなら、プリンやゼリーよりも食物繊維を多く含む寒天にしましょう。
甘いものを食べてほっと一息つきながら、日本人に不足しがちな食物繊維を補給できますよ。
牛肉や豚肉をステーキやソテーにするなら「ヒレ」を選択
牛肉や豚肉は、部位によって脂質やたんぱく質の量が大きく違います。できるだけ脂質を減らしておいしくお肉を食べるなら、サーロインやバラ、ロースは避けてヒレを選びましょう。
ヒレは脂が少なくさっぱりとしています。動きの少ない部位なので、肉質はきめ細かでやわらかく、筋もないので食べやすいのが特徴です。
主食は「玄米」に置き換える
主食は、白米ではなく玄米にしましょう。
文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)」をもとにすると、一度の食事でとる一般的な量である茶碗1杯150gの白米は234kcal、炭水化物の量は55.7g、食物繊維の総量は2.3gです。糖質量は炭水化物の量から食物繊維総量を引いて求めた場合、炊いた白米150g中の糖質量は53.4gです。
対して、炊いた後の玄米150g(茶碗1杯分)のカロリーは228kcal、炭水化物の量は53.4g、食物繊維の総量は2.1gで、糖質量は51.3gになります。
ですから、主食を白米から玄米に置き換えるだけで、カロリーと糖質を抑えることができます。玄米や雑穀は白米よりビタミンB1が多いため、豊富な栄養素をとる意味でも置き換えは有効です。
白米と玄米のカロリーと栄養を比較すると、以下のようになります。
■白米と玄米のカロリーと栄養の比較
カロリー | 糖質 | ビタミンB1 | |
---|---|---|---|
白米(炊いた後)150g | 234kcal | 53.4g | 0.03mg |
玄米(炊いた後)150g | 228kcal | 51.3g | 0.24mg |
麺類は「そば」がおすすめ
麺類の中では、カロリーや糖質、食物繊維のバランスが良いそばがおすすめです。さらに、そばはポリフェノールの一種であるルチンのほか、ビタミンC、必須アミノ酸のバランスが良いたんぱく質を含んでいます。
麺類のカロリーや糖質、食物繊維を比較すると、以下のようになります。
■麺類のカロリーと栄養の比較
食品 | 量 | カロリー | 糖質 | 食物繊維 |
---|---|---|---|---|
うどん(茹で) | 200g(1玉) | 190kcal | 40.6g | 2.6g |
そば(茹で) | 200g(1玉) | 260kcal | 46.2g | 5.8g |
中華麺(茹で) | 160g(1玉) | 213kcal | 42.2g | 4.5g |
パスタ(茹で) | 250g(1人前) | 375kcal | 73.0g | 7.5g |
豆腐は絹豆腐ではなく「木綿豆腐」を使う
豆腐は、たんぱく源となる主菜のひとつです。
絹豆腐と木綿豆腐で迷ったら、木綿豆腐を使いましょう。木綿豆腐は、製造工程で水分を絞るため、栄養素が凝縮されています。絞る工程がなく、豆乳を凝固させて作る絹豆腐のほうがカロリーは低いですが、栄養をしっかりとりたいと考えるなら、木綿豆腐がおすすめです。
栄養素を把握できる冷凍宅配弁当を活用しよう
太りにくい食事をするには、摂取カロリーを1日の推定エネルギー必要量内に収めつつ消費カロリーとのバランスをとることと、まんべんなく栄養素をとることが重要です。食品の栄養素やカロリーをよく見て、バランスの良い食事をしましょう。
ニチレイフーズダイレクトの「きくばりごぜん®」なら、ウェブサイトで簡単に栄養素をチェックできるので、不足している栄養素の把握に役立ちます。冷凍庫にストックしておけば好きなときに食べられ、準備や片付けが不要なのもポイントです。
実際に利用している方からは、「いつも美味しいです」「電子レンジで容器まるごと温めて食卓にだせるのは時短で嬉しい。野菜がしっかりとはいっているのが良い」といった感想が届いています。
太りにくい食事は、食べ方と食べる物の工夫がポイント!
太りにくい食事をするには、調理法や食べる回数などの「食べ方」に注意しつつ、油や脂質、糖質が少ない「食べるもの」を選ぶのがコツです。
栄養バランスやカロリーを把握しやすい冷凍宅配弁当も活用して、上手に食事をとりましょう。
- 太りにくい食事のコツとは?
- 食事は1日3回、1回の食事で主食・主菜・副菜をバランス良くとるのがコツです。また、揚げる、焼くといった調理法ではなく、ゆでる、蒸す、電子レンジ加熱といった脂質を落とせる調理法を選ぶことも大切です。
- 太りにくい食品とは?
- 脂質や糖質が少ない鶏むね肉、ヒレ肉などが太りにくいです。おやつを食べるときは、不足しがちな食物繊維を多く含む寒天がおすすめです。