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小さい頃、「骨を丈夫にするために、カルシウムをとりなさい」といわれた経験がある人は多いでしょう。カルシウムは、骨や歯を形成するために欠かせない成分で、不足するとその成長に大きな影響を及ぼします。
しかし、日本人のカルシウム摂取量は、全年代を通じて目標に達していません。元気に暮らし、自分の歯でおいしく食事をし続けるためにも、カルシウムをたくさん摂取したいところです。
そこで今回は、カルシウムの働きをあらためて確認するとともに、カルシウムを多く含む食品やレシピのほか、カルシウムをとる際の注意点などを、管理栄養士の監修のもと詳しく紹介します。
カルシウムとは、人の体に欠かせない栄養素
カルシウムは、ほとんどが骨と歯に蓄えられ、残りは筋肉細胞を中心とした細胞、血液中などに貯蔵されています。
骨では「破骨細胞」が古くなった骨を破壊し、「骨芽細胞」が骨を形成するサイクルを繰り返しているため、常に多くのカルシウムが必要です。
細胞内や血液中のカルシウム量は、体の働きによって厳密にコントロールされているため、血液中のカルシウムが不足すると骨に貯蔵されたカルシウムが移動してその量を補います。そのため、カルシウムの摂取量が不足していると、移動して減った骨のカルシウムを補うことができず、骨や歯が弱くなるのです。
特に成長期は、骨量がぐっと増加する時期です。成人になっても骨は新しいものに入れ替わり続けますが、骨量は20歳頃をピークに、次第に減っていきます。中でも女性は、閉経を迎える50歳頃から骨密度が減少し、骨粗しょう症のリスクが急激に高まることが知られています。
筋肉や神経を動かす
カルシウムの一部は、筋肉や神経にも含まれています。筋繊維を収縮させて筋肉を動かすほか、脳神経や筋肉の興奮を抑える働きも担っています。
カルシウムの摂取量の目安
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版)では、ミネラルの推奨量や目安量を示しています。カルシウムの基準値は、以下のとおりです。
■カルシウムの食事摂取基準(mg/日)
年齢区分 | 男性 | 女性 | ||
---|---|---|---|---|
推奨量 | 耐容上限量 | 推奨量 | 耐容上限量 | |
1~2歳 | 450 | - | 400 | - |
3~5歳 | 600 | - | 550 | - |
6~7歳 | 600 | - | 550 | - |
8~9歳 | 650 | - | 750 | - |
10~11歳 | 700 | - | 750 | - |
12~14歳 | 1,000 | - | 800 | - |
15~17歳 | 800 | - | 650 | - |
18~29歳 | 800 | 2,500 | 650 | 2,500 |
30~49歳 | 750 | 2,500 | 650 | 2,500 |
50~64歳 | 750 | 2,500 | 650 | 2,500 |
65~74歳 | 750 | 2,500 | 650 | 2,500 |
75歳以上 | 700 | 2,500 | 600 | 2,500 |
推奨量は不足しないように摂取することが望ましい量、耐容上限量は健康にリスクを与えないための上限値です。サプリメントなどを併用する場合を除いて、食事からのカルシウム摂取で耐容上限量を超えることは滅多にありません。
実際、2019年に厚生労働省が行った「国民健康・栄養調査」では、日本人のカルシウム摂取量は男性517mg、女性494mgと、推奨量に達していませんでした。
上記の表から、特に子供は多くのカルシウムをとる必要があることがわかります。大人が食生活の改善を意識し、カルシウムを含む食品を取り入れることが、子供たちの将来にとっても重要だといえそうです。
カルシウムを多く含む食品
カルシウムの目標量を達成するには、普段の食事の中で、カルシウムを多く含む食品を選んで食べる必要があります。以下のような食品は、手に入れやすく食生活にも取り入れやすいのでおすすめです。
牛乳、チーズ、ヨーグルト
牛乳やチーズ、ヨーグルトは、食生活に取り入れやすい、カルシウム含有食品の代表格です。朝食に牛乳を1杯加えたり、小腹が空いたときにチーズやヨーグルトを食べたりするといいでしょう。
目先を変えてフローズンヨーグルトなども取り入れると、飽きずに楽しめますよ。
煮干し、さくらえび(素干し)
煮干しは味噌汁の出汁としておなじみですが、出汁にはあまりカルシウムが含まれていません。カルシウムを効率良くとるなら、そのままおやつやおつまみとして食べるほうがおすすめです。さくらえびは、炊き込みご飯にするとおいしく食べられます。
昆布、ひじき
海藻類も、カルシウムを多く含んでいます。昆布も煮干しと同様に、出汁よりも煮物やおしゃぶり昆布などで昆布そのものを食べるのがおすすめです。ひじきは煮物にして作り置きしておくと、カルシウムを手軽にとれる副菜として重宝します。
ごま、アーモンド
ナッツ類の中でも、ごまとアーモンドはカルシウムを多く含みます。仕事や勉強用のデスクに置いておき、小腹が空いたときに食べましょう。おつまみにも取り入れやすい食品です。
切干大根、凍り豆腐
切り干し大根や凍り豆腐には、カルシウムが豊富に含まれています。味がよくしみるので、煮物にするとおいしくいただけます。
大根の葉、かぶの葉、水菜
野菜の中では、大根の葉、かぶの葉、水菜などがカルシウムを多く含みます。味噌汁やサラダなどでこまめに取り入れましょう。
管理栄養士がおすすめ!カルシウムがとれるレシピ
カルシウムを多く含む食品を料理にも積極的に取り入れ、カルシウムを補給しましょう。管理栄養士が厳選した、おすすめのメニューを3つご紹介します。
ホットプレートでチーズフォンデュ
出典:ほほえみごはんⓇ 「 【ホットプレートでチーズフォンデュ】おすすめ具材を使った人気レシピ 」チーズフォンデュは、ピザ用チーズ、牛乳、ホワイトソースを使うので、乳製品がたっぷりとれてカルシウム補給に最適なメニューです。野菜の中でもビタミンやミネラルが豊富なブロッコリーを具材にするのもおすすめです。
ホットプレートとチーズを入れてレンジ加熱できる耐熱容器があれば、専用鍋がなくても本格的なチーズフォンデュを楽しめます。フォンデュフォークは、箸や普通のフォークでも代用できます。
ホットプレートでチーズフォンデュの詳しいレシピは、以下の記事をご覧ください。
ほほえみごはんⓇ「 【ホットプレートでチーズフォンデュ】おすすめ具材を使った人気レシピ 」
切り干し大根とツナのサラダ
出典:ほほえみごはんⓇ 「 【切り干し大根の冷凍】お弁当に便利、自然解凍OKな保存テク 」切り干し大根はカルシウムが豊富ですが、メニューが煮物などに偏りがちではないでしょうか。ツナと併せて洋風のサラダにするこのレシピは、さっぱりしていて歯応えも良く、切り干し大根をたくさん食べられます。
乾物は保存がきくので、野菜室に生野菜がない日の副菜にも最適です。コーンを入れることで、子供も食べやすい味に仕上がりますよ。
切り干し大根とツナのサラダの詳しいレシピは、以下の記事をご覧ください。
ほほえみごはんⓇ「 【切り干し大根の冷凍】お弁当に便利、自然解凍OKな保存テク 」
水菜の濃厚ごま和え
出典:ほほえみごはんⓇ 「 【水菜の人気レシピ】さっと作れてメインにも。シャキシャキ食感が◎ 」水菜とごまは、どちらもカルシウムが豊富です。2つの食品を掛け合わせた和え物なら、作り置きにも最適で、毎日手軽にカルシウム補給が可能。炒めても水菜のシャキシャキした食感はしっかり残り、緑と黄の美しい色合いと相まって、食欲をそそります。
余ったらよく冷まして清潔な保存容器に入れ、蓋をして冷蔵庫に入れておけば2日間程度は保存できます。
水菜の濃厚ごま和えの詳しいレシピは、以下の記事をご覧ください。
ほほえみごはんⓇ「 【水菜の人気レシピ】さっと作れてメインにも。シャキシャキ食感が◎ 」
カルシウムを摂取する際の注意点
カルシウムを摂取する際は、摂取量だけでなくいっしょにとる栄養素や摂取後の行動にも注意が必要です。以下の3点に注意して、摂取したカルシウムを効果的に健康に役立てましょう。
ビタミンDといっしょにとる
カルシウムの吸収率は、いっしょにとる栄養素の影響を受けます。カルシウムの吸収を助けるビタミンDをいっしょにとり、カルシウム不足を防ぎましょう。持病により「活性型ビタミンD」を処方されている場合は、主治医の指示に従ってください。
ビタミンDを多く含む食品は、以下のとおりです。
<ビタミンDを多く含む食品> ・あんきも
・しらす(干し)
・まいわし(干し)
・鮭
・きくらげ
・しいたけ(干し)
リンの過剰摂取に気をつける
リンは、カルシウムと同じく人の体に必要なミネラルのひとつで、カルシウムとともに骨や歯を作る働きをしています。ただし、とりすぎるとカルシウムの吸収を阻害するため、注意しなくてはなりません。
リンは多くの食品に含まれているため、さまざまな食品を取り入れた食事をすれば、必要量を満たすことができます。通常の食事をしていれば、リンが不足することはほぼないといっていいでしょう。
特に、インスタント食品や加工品、肉類はリンが多く含まれているため、普段の食事を見直し、思い当たる節があれば見直しをおすすめします。
一方、カルシウムのとりすぎも、鉄をはじめとしたほかのミネラルの吸収を阻害し、バランスを崩します。カルシウムに限らず、特定の栄養素を多くとろうとするあまり偏った食事をすると、ほかの栄養を欠くことにつながるため、何でもバランス良く食べることが大切です。
適度に運動する
骨は、負荷を与えられるとより強くなるため、カルシウムの摂取とともに適度な運動を心掛けましょう。水中は陸上よりも負荷が減るので、陸上での運動のほうがおすすめです。
それほど激しい運動である必要はなく、ウォーキングや筋肉トレーニング(筋トレ)などで十分です。
カルシウムやビタミンDなどがとれる冷凍宅配弁当がおすすめ
健康的な毎日を送るには、規則正しい食生活が重要です。しかし、おいしくて栄養豊富な食事を用意するのは、簡単ではありません。「忙しくて食事がおろそかになってしまう」という人も多いのではないでしょうか。
そんなときにおすすめなのが、ニチレイフーズダイレクトの「もち麦ワンディッシュプラス」です。「もち麦ワンディッシュプラス」は、女性に不足しがちな4つの栄養素(食物繊維、鉄、カルシウム、ビタミンD)を、1日に必要な量の半分以上とることができます。
「もち麦ワンディッシュプラス」は、もち麦入りごはんとおかずがセットになっているので、これだけでボリュームたっぷりの食事をとることができます。宅配で届いて冷凍庫で保存できるので、買い置きしておくといざというときに頼りになります。
食物繊維や鉄、カルシウム、ビタミンDの摂取量が気になる女性はもちろん、食事の準備に時間をかけたくない方にもおすすめです。
「もち麦ワンディッシュプラス」9食セットについては、以下のページをご覧ください。
健康的な生活に欠かせないカルシウムを、食事からしっかりとろう
カルシウムは、骨や歯を作るほか、筋肉や神経の機能にも大きく関わる重要な栄養素です。日本人のカルシウム摂取量は不足しがちなため、積極的にカルシウムを含む食品をとるようにしてください。
忙しいときでも簡単に食事がとれる冷凍宅配弁当も取り入れながら、健康的な生活を目指しましょう。
- カルシウムが多い食べ物は?
- チーズ、牛乳、ヨーグルト、煮干し、さくらえび(素干し)、昆布、ひじき、ごま、アーモンド、切り干し大根、凍り豆腐、大根の葉、かぶの葉、水菜などがカルシウムを多く含んでいます。おやつやおつまみとしてそのまま食べたり、料理に取り入れたりして、カルシウムを摂取しましょう。
- 骨密度が低いとどのような症状が出ますか?
- 骨密度が低いと骨がもろくなり、骨折のリスクが高まります。カルシウムの摂取量が不足すると、骨密度が低くなり骨や歯が弱くなるため、十分な量のカルシウムを摂取する必要があります。