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公開日:2023.10.05
更新日:2024.05.27
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ナトリウムとは?体内での働きや摂取の目安、とりすぎを防ぐ方法を解説

人間が生きていく上で欠かせないミネラルのひとつに、ナトリウムがあります。ナトリウムが足りないと、私たちの体は水分バランスを維持することができず、体にさまざまな影響が生じます。
かといって、ナトリウムを過剰に摂取しすぎると血圧を上昇させるなど、かえって健康リスクを高めることにつながりかねません。
ナトリウムはどのくらい、どのようにとれば良いのでしょうか。ナトリウムの働きなどと併せて詳しく解説します。

目次

ナトリウムとは、人体に必要なミネラルのひとつ

ナトリウムは、人体に必要なミネラルです。ミネラルとは、体のさまざまな機能の維持・調整を担う5大栄養素のひとつで、ナトリウムのほか、カルシウム、リン、亜鉛、カリウムなどの総称です。

ナトリウムは体内で合成することができないため、食事からとる必要があります。また、いっしょにとった栄養素によって吸収や働きに影響を与え合う場合があるため、バランス良くさまざまな食品をとることが重要です。


ナトリウムの働き

ナトリウムには大きく、3つの働きがあります。ナトリウムが不足すると生活に関わる問題がいくつも起きるため、常に必要量を維持できるようにしなくてはなりません。

浸透圧の維持

細胞の中と外には、小さな粒子だけが通れる細胞膜を隔てて、濃度の異なる細胞内液と細胞外液が存在しています。また、2つの液体のあいだには、濃度の高い液体が低い液体を引っ張って移動させる、浸透圧と呼ばれる力が生じています。

この浸透圧を維持し、細胞外液の量を一定に保っているのがナトリウムです。ナトリウムがあることによって、体内の水分量が維持できています。細胞内液の浸透圧を調節して一定に保っているのは、カリウムというミネラルです。カリウムは、ナトリウムを体の外に排出するのに役立ちます。

熱中症などによる大量発汗や水分摂取不足、嘔吐・下痢などで大量の水分が一気に失われると、ナトリウムの濃度とともに浸透圧が上昇し、濃度の濃い血液のほうへ水分が移動します。尿量が減り、口が乾いて水分摂取量が増えますが、浸透圧の維持に不要な水分は尿として排泄されてしまうため、水だけを飲んでも脱水状態はすぐには改善されません。

このとき、ナトリウムイオンやカリウムイオンといった電解質を含む経口補水液やスポーツ飲料を飲むと、ナトリウム濃度が維持されて脱水を回避することができます。このように、濃くなったナトリウムを排出し、カリウムを取り込むことで濃度を一定に保つ働きを、「ナトリウムポンプ」といいます。
ナトリウムを過剰に摂取するとナトリウムポンプがスムーズに働かず、細胞内のナトリウムが増えていっしょに水分を取り込みます。脚などにむくみが出るのはそのためです。

血圧の維持

ナトリウムが増えると、血液の浸透圧を一定に保つために血液量が増えます。すると、心臓から送り出された血液が、血管の壁を押す力である血圧も上昇します。この働きによって、血圧は正常な範囲に収まっているのです。
しかし、ナトリウムを摂取しすぎると、血液量が増えすぎて血圧を正常範囲に維持できなくなってしまいます。

神経の刺激伝達や筋肉の収縮

ナトリウムは、神経の刺激伝達や、筋肉の収縮にも関わっています。心臓の筋肉である心筋も、ナトリウムの濃度に影響を受けます。


ナトリウムと食塩は同じ?

「ナトリウム=食塩」と、認識している方は多いのではないでしょうか。しかし、ナトリウムと食塩は同じではありません。一般的に販売されている食塩は、ナトリウムと塩素がイオン結合した塩化ナトリウムの純度が99%以上のものです。したがって、「ナトリウム量」と「食塩相当量」は同じではありません。
食品表示基準(食品表示法)では、食塩相当量をパッケージに表示することが義務付けられています。

なお、食品に含まれるナトリウム量から、食塩量を換算した値が食塩相当量です。計算式は次のとおりです。

<食塩相当量の計算式>
食塩相当量(g)=ナトリウム量(mg)×2.54÷1000


ナトリウムの摂取の目安は?

ナトリウムは、多くとりすぎても、少なすぎても体に影響を及ぼすことがわかりました。では、ナトリウムはどれくらいを目安に摂取すると良いのでしょうか。
ナトリウムのとりすぎは塩分過多に直結し、健康リスクを高めます。そこで国内では、日本高血圧学会を中心として、減塩推進の取り組みが行われてきました。

私たちは、ナトリウムを主に食塩の形で摂取しているため、摂取の目標量も食塩相当量で定められています。近年の日本人の成人1人1日あたりの摂取量は、食塩相当量として男性11g程度、女性9g程度です。本来必要な1日あたりの摂取量は、多くても2g程度なので、日本人はとりすぎの傾向にあることがわかるでしょう。

「日本人の食事摂取基準」(2020年版)では、摂取量の減少を目指すものにナトリウムが挙げられ、成人1人1日あたり男性7.5g未満、女性では6.5g未満が目標量として定められています。なお、高血圧や慢性腎臓病(CKD)の重症化を予防することを前提とした場合、食塩相当量は男女とも6.0g/日未満です。


ナトリウムを多く含む食品は?

ナトリウムは、醤油や味噌といった調味料のほか、加工食品などに多く含まれています。
ナトリウムをとりすぎないようにするために、どのような食品にどれくらいのナトリウムが含まれるかを知っておきましょう。

食塩

食塩100gあたりのナトリウム換算量は、39,000mgです。大さじ1(15g)にはナトリウム5,850mg(食塩相当量14.9g)が含まれています。
食塩を使う頻度や量を減らすのが減塩のセオリーですが、すべての料理が薄味では物足りず、長続きしません。一品は普通の味付けのメニューを組み合わせるなどして、減塩を継続できるようにしましょう。

味噌

味噌は、大豆や米、麦などの穀物に麹と食塩を加え、発酵・熟成させて作ります。長期保存を前提とした調味料である味噌を作る上で、食塩は欠かせません。米味噌100gあたりには、ナトリウムが4,900mg(食塩相当量12.4g)含まれています。大さじ1(18g)に含まれるナトリウムの量は882mg(食塩相当量2.2g)です。
味噌汁などを作るときは、塩分排出効果があるカリウムを多く含む食材を具に使ったり、だしをしっかりとって味噌を控えめにしたりすることもおすすめです。

醤油

醤油の基本的な材料は、大豆、小麦、食塩です。食塩は、醤油を雑菌から守る重要な役割を果たしています。
ただし、醤油には100gあたり5,700mg(食塩相当量14.5g)、大さじ1(18g)あたり1,026mg(食塩相当量2.6g)のナトリウムが含まれているため、使いすぎは禁物です。少量で食材のおいしさを引き出す醤油の特性を活かして、適量を意識しましょう。
料理にかけるよりも、手塩皿に少量取ってつけるようにすると、量を調整しやすくなります。

中濃ソース

揚げ物にかけたり煮込み料理の隠し味にしたりと、食卓に欠かせない中濃ソースには、野菜や果物、トウガラシ、しょうが、酢などが使われています。
100gあたり2,300mg(食塩相当量5.8g)、大さじ1(21g)あたり483mg(食塩相当量1.2g)のナトリウムが含まれています。

加工食品

調味料のほかにも、ハム、ソーセージ、インスタントのスープや、味噌汁、ラーメン、漬物など、さまざまな加工食品にナトリウムが含まれています。
これらの加工食品に含まれるナトリウムの量は、商品によって幅があります。スーパーやコンビニエンスストアなどで購入する場合は、栄養成分表示を確認しましょう。外食する場合は、メニューやウェブサイトで栄養成分を公開している飲食店を選ぶと、食塩相当量を把握することができます。


ナトリウムのとりすぎを防ぐ方法

ナトリウムを多く含む食品は、身近なところに意外とたくさんあることがわかりました。では、ナトリウムのとりすぎを防ぐには、どのような点に気をつければ良いのでしょうか。
ここでは、ナトリウムのとりすぎを防ぐ食事の仕方について、具体的な方法をご紹介します。

調味料を減らす

前述したように、ナトリウムは普段よく使っている調味料に多く含まれています。ナトリウムのとりすぎを防ぐ最も簡単な方法は、この調味料を減らすことです。方法は大きく4つあります。

・量を減らしたり、減塩タイプに切り替えたりする
調味料の使用量を急激に減らすと食事がおいしいと感じられなくなり、物足りなくなる可能性があります。無理せず、少しずつ減らしていきましょう。量は変えず、減塩タイプに切り替えるのも効果的です。

・調味料の使い方を工夫する
調味料の使い方を工夫すると、調味料を減らすことができます。例えば、醤油やポン酢は、上からかけるのではなくつけダレにしたほうが全体の調味料を減らすことができます。また、塩はつけるよりもかけるほうが使用量を減らせます。

・酸味や香味、だしで風味を補う
濃い味が好きでつい調味料を増やしてしまう方は、酸味や香味のあるものを使って料理に風味をつけるようにすると、薄味でも舌を満足させることができます。同様に、かつお節や昆布など、旨味の強いものでだしを取って旨味を活かすことも効果的です。

・食べる量を減らす
食べる量が多すぎる場合は、1回に食べる量か、食べる品目を減らすという手もあります。おかずを小さなお皿に取り分けて食べるだけでも食べる量が抑えられ、必然的に摂取するナトリウムの量も減らせます。

栄養成分表示を確認して、食べる量を調整する

食品を購入する際には、裏面や側面に付いている「栄養成分表示」を確認してください。カップ麺やインスタントラーメンなどは、麺・かやくとスープの食塩相当量が別に記載されている商品もあります。スープの食塩相当量が多ければ半分残すなど、食べる量を調整するといいでしょう。

加工食品を減らす

ハムやソーセージ、漬物のほか、塩蔵品と呼ばれる干物などの加工品に共通するのは、日持ちさせるために食塩が相当量使われていることです。さっと使えて便利な食材ですが、少量でもナトリウムのとりすぎにつながる可能性が高いため、食べる量や頻度を増やさないようにしてください。
料理に加工食品を使う場合はその味を活かし、調味料の使用を控える工夫をしましょう。

カリウムをとる

摂取量の調整だけでなくナトリウムの排出を促すことでも、ナトリウムの過剰摂取による健康リスクは減らせます。塩分排出には、ミネラルのひとつであるカリウムが有効です。食事の塩分量を控えめにすることを意識しつつ、カリウムを多く含む食品を積極的にとって塩分を排出しましょう。カリウムを多く含む食品には、りんご、バナナ、いちご、トマト、かぼちゃ、ブロッコリー、枝豆、ほうれん草、じゃがいもなどがあります。
ただし、腎機能に問題がある場合は、カリウムの摂取量をコントロールする必要があるため、主治医に相談してください。


ナトリウムの摂取は適正量を心掛けましょう

ナトリウムは、人体に不可欠なミネラルのひとつです。体の機能を維持する上で重要な役割を果たしており、ナトリウム不足は健康に大きな影響を及ぼします。
一方、日本人の食生活は、ナトリウムの摂取量が増える傾向にあり、塩分過多による健康リスクの増大が懸念されます。食事に含まれる塩分を把握し、調味料を減らす、カリウムの多い食材で塩分の排出を図るといった方法で、適正量の維持に努めましょう。


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食塩とナトリウムは同じ?
人間は、体に必要なナトリウムのほとんどを食塩(塩化ナトリウム)の形で摂取しています。 しかし、ナトリウムと食塩は同じではありません。食塩は、ナトリウムと塩素が結合したものであり、ナトリウムは食塩の成分のひとつです。
ナトリウムのとりすぎを防ぐには?
ナトリウムを多く含む食品を把握し、減らす工夫をしましょう。ナトリウムの排出を促進する効果がある、カリウムを多く含む食品を摂取するのも効果的です。

監修清水加奈子
管理栄養士、国際中医薬膳師、国際中医師。栄養学・中医学・薬膳の専門知識を持つフードコーディネーターとして、多数のメディアでダイエットレシピの提案や監修で幅広く活躍中。
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