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公開日:2023.07.28
更新日:2024.04.05
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コレステロールとは?摂取量の目安やコレステロールが多い食品を解説

健康診断や人間ドックの注目すべき検査項目のひとつに「コレステロール」があります。血液中でコレステロールのバランスが崩れると、さまざまな疾患を引き起こす可能性があるためです。
ただし、コレステロールのすべてが体に悪影響を及ぼすわけではありません。コレステロールは人間の体を作る材料でもあり、私たちが生きていく上で不可欠な物質なのです。
本記事では、コレステロールの概要や摂取量の目安のほか、コレステロールが多い食品などについて解説します。

目次

コレステロールとは、人間の体に存在する脂質のひとつ

コレステロールは、人間の体に複数存在する脂質の中のひとつです。脂質と聞くと、「太る」「体に悪い」といったイメージがありますが、コレステロールは細胞膜、ホルモン、胆汁酸を作る材料でもあり、コレステロールなしに体を作ることはできません。
脂質は、下記のように分類されます。

<脂質の種類>
・単純脂質…中性脂肪など
・複合脂質…リン脂質、リポタンパク質など
・誘導脂質…コレステロール、脂肪酸など

コレステロールの2~3割は食事を通して取り入れられ、7~8割は体内にある糖や脂肪を使って肝臓などで合成されます。通常であれば、その全体量は体内でうまく調節され、適量を維持しています。
健康に悪影響を及ぼすのは、何らかの事情で血液中のコレステロールが過剰になったり、反対に不足したりするときです。そのため、健康診断などでは、コレステロールの値に気を配る必要があります。


コレステロールには悪玉と善玉がある

コレステロールには、LDLコレステロールとHDLコレステロールがあります。それぞれの働きの違いから、LDLコレステロールは悪玉コレステロール、HDLコレステロールは善玉コレステロールと呼ばれます。具体的な特徴は下記のとおりです。

LDLコレステロール(悪玉コレステロール)

LDLコレステロールは、肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ働きがあります。LDLコレステロールの量が適正であれば問題ありません。しかし、LDLコレステロールは増えすぎると少しずつ血管の壁に溜まり、血管を狭くしたり詰まらせたりして、動脈硬化の原因になります。
動脈硬化とは、動脈の血管の弾力が失われ硬くなった状態です。動脈硬化は、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などを引き起こします。このように、LDLコレステロールが増えすぎると疾患の原因となることから、悪玉コレステロールと呼ばれます。

HDLコレステロール(善玉コレステロール)

HDLコレステロールは、血管内で増えすぎたり、血管壁に溜まったりしたLDLコレステロールを回収して取り除き、肝臓に戻す働きをしています。
LDLコレステロールとは反対に、体内のコレステロール量を調整して疾患を防いでくれることから、善玉コレステロールと呼ばれます。


コレステロールの摂取量の目安

前項で解説したとおり、コレステロールはバランスを保っていれば体に害を与えることはありません。むしろ、必要な量を満たさなくなるとホルモンバランスが崩れて体調に影響が出たり、免疫機能が低下したりします。
コレステロールのバランスを崩さないようにするには、体外から取り入れるコレステロール値を調整する必要があります。

厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準」では、コレステロール摂取の上限値を決める十分なエビデンスがないとして、2015年度版から上限値を撤廃しました。しかし、同資料の2020年版では、コレステロール量のバランスが崩れることで起きる脂質異常症の重症化を予防するため、新たに1日のコレステロール摂取量の目安が記載されました。
それによると、コレステロールの1日の摂取量は200mg未満にとどめることが望ましいとされています。


脂質異常症の改善方法

脂質異常症は、LDLコレステロールや血中の中性脂肪が過剰になった状態、あるいはHDLコレステロールが必要量を満たさなくなった状態のことです。女性は、女性ホルモンのエストロゲンが減少することにより、LDLコレステロール値が上昇するため、閉経後は特に注意が必要です。
脂質異常症と診断され薬物療法を行っている場合は、生活習慣の改善を求められます。具体的には、「食事のコントロール」「有酸素運動」「禁煙」「節酒・禁酒」の4つが有効です。

食事のコントロール

LDLコレステロールが高い人で、バラ肉やひき肉などの肉の脂身、鶏肉の皮、バター、ラード、生クリームなどに含まれる飽和脂肪酸を多くとっている人は、食事を見直しましょう。食事からとる飽和脂肪酸を減らすことで、LDLコレステロールが改善するケースも少なくありません。

有酸素運動

脂質異常症に対しては、運動療法で血中脂質の値を改善することが効果的であるとされています。また、有酸素運動により、HDLコレステロールも上昇します。それほど高強度の運動は必要ないため、運動習慣がない人でも実践しやすいでしょう。

運動療法は、中強度以上の有酸素運動を中心に毎日30分程度を目標に行います。運動時間はトータルで30分に達すれば良く、仕事や勉強の合間に10分ずつ3回ウォーキングするといった方法でも構いません。
国立健康・栄養研究所の「 改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』 」によると、ウォーキング、サイクリング、水中ウォーキングなどが中強度の運動に該当します。

禁煙

喫煙は、血液を固まりやすくするだけでなく、HDLコレステロールを減らしてLDLコレステロールを増加させる可能性があります。喫煙習慣は、脂質異常症を進行させる大きなリスク因子だといえるでしょう。
コレステロール値が気になったら、減煙、禁煙をおすすめします。

節酒・禁酒

血液中の中性脂肪はアルコールの摂取により増加し、脂質異常症の原因となります。脂質を多く含む食品をいっしょにとることで、さらに脂質異常のリスクが増してしまいます。
一方で、アルコールには、HDLコレステロールを合成して増やす上に、分解を低下させる働きがあります。つまり、アルコールを摂取する量が増えるほど、HDLコレステロールも増加します。しかし、アルコールの過剰摂取は肥満や高血圧などの疾患の原因にもなるため、毎日のアルコールの摂取量が多い人は、まずは節酒から取り組むといいでしょう。


コレステロールを多く含む動物性脂質に注意

コレステロールが多く含まれる代表的な食品は、下記のとおりです。LDLコレステロールは、動物性脂質に多く含まれます。下記の食品が好きな人は、摂取量に注意が必要です。

<コレステロールを多く含む食品>
・卵:鶏卵、うずら卵
・魚介:いわし、干しエビ、するめいか、ほたるいか
・魚卵:かずのこ、からすみ、いくら、たらこ
・内臓:豚レバー、鶏レバー、あん肝
・動物脂肪:鶏肉の皮、ラード、牛脂、生クリームなど


LDLコレステロールが気になる人におすすめの食品

食品の中には、LDLコレステロールを減らすものや、コレステロールの吸収を抑えるものがあります。LDLコレステロールが気になる場合は、これらの食品を取り入れることをおすすめします。

青背の魚

アジやサンマなどの青背の魚は、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸を含みます。これらの不飽和脂肪酸は、HDLコレステロールを維持してLDLコレステロールを減らす働きがあります。

大豆を使った食品

豆腐や納豆など、大豆を使った食品に含まれる大豆たんぱくは、コレステロールの吸収を抑えます。

ビタミン、β-カロテン、ポリフェノールなどを多く含む食品

ビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、ポリフェノールなどを多く含む食品は、血管壁に溜まったLDLコレステロールの酸化を抑えます。

悪玉コレステロールと善玉コレステロールの特徴と、LDLコレステロールが気になる人におすすめの食品を図にまとめると、以下のようになります。

脂質


脂質量を把握したい方におすすめの冷凍宅配弁当

脂質の摂取量が気になっても、脂質の計算をしながら食事の用意をするのは簡単ではありません。
そこでおすすめしたいのが、ニチレイフーズダイレクトの「気くばり御膳」です。「気くばり御膳」は、多品目でバランスにも配慮した冷凍宅配弁当です。

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「気くばり御膳」お試し4食セットについては、下記のページをご覧ください。


コレステロール値は生活習慣の見直しで改善しよう

血液中のコレステロールのバランスが崩れて脂質異常症になると、心筋梗塞や脳梗塞の原因となる動脈硬化を誘発します。健診でコレステロール値を指摘されたらそのままにせず、まずは食生活や運動習慣の見直しから始めましょう。


コレステロール値が高いとどうなる?
コレステロールの中でもLDLコレステロールが高い場合は、動脈硬化から心筋梗塞、脳梗塞を引き起こすことがあります。
コレステロール値が高くなる原因は?
コレステロール値が高くなる原因には、脂質をとりすぎて体内で合成されるコレステロールの量が増えたり、コレステロールを多く含む食品をとったりすることが挙げられます。女性は、閉経後に女性ホルモンのエストロゲンが減少することにより、コレステロール値が上昇するため注意が必要です。

監修清水加奈子
管理栄養士、国際中医薬膳師、国際中医師。栄養学・中医学・薬膳の専門知識を持つフードコーディネーターとして、多数のメディアでダイエットレシピの提案や監修で幅広く活躍中。
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