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公開日:2023.08.18
更新日:2024.02.16
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基礎代謝とは?基礎代謝量を上げる方法や年齢別の計算方法を紹介

年齢を重ねるにつれ、「生活は変わらないのに太った」「食事量を調整しても、運動量を増やしてもやせにくくなった」と感じている人は多いでしょう。このような加齢に伴う変化には、基礎代謝が深く関係しています。
今回は、基礎代謝の基礎知識や、基礎代謝量を上げるための具体的な方法のほか、基礎代謝量の計算方法などについてご紹介します。

目次

基礎代謝とは、無意識に消費される最低限のエネルギーのこと

適正体重を保ち健康を維持するには、栄養バランスの良い適切な量の食事をとりつつ、摂取カロリーと消費カロリーのバランスをとる必要があります。
消費カロリーを増やす方法として最初に思いつくのは、ジョギングや筋力トレーニングなどの運動ではないでしょうか。これは、いわば積極的で意識的なカロリー消費の方法です。

対して、「呼吸する」「心臓を動かす」「体温を調節する」といった、生命活動を維持するために無意識のうちに消費される最低限のエネルギーを「基礎代謝」といいます。肥満を防ぎ適正体重を維持するには、運動による消費カロリーとともに、基礎代謝量を上げることが重要です。

一般的に、年齢とともに筋肉などが減少すると、基礎代謝量も減少します。若い頃と同じ生活をしていても、太りやすくなったり、やせにくくなったりするのはそのためです。
まずは自分の基礎代謝量を把握し、生きていくために必要な最低限のエネルギー量を確保しながら、適正な体重を目指しましょう。


基礎代謝量の年齢ごとの目安

自分の基礎代謝量を知るには、どうすれば良いのでしょうか。基礎代謝量は、目覚めていて安静にしている状態で計測されます。個人の基礎代謝量は個別の条件によって異なるため、男女別、年齢別に示された下記の基礎代謝基準値をもとに算出します。

■日本人の基礎代謝基準値

性別 男性 女性
年齢
基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日) 参照体重(kg) 基礎代謝量(kcal/日)
基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日) 参照体重(kg) 基礎代謝量(kcal/日)
18~29歳
23.7 64.2 1,530
22.1 50.3 1,110
30~49歳
22.5 68.1 1,530
21.9 53.0 1,160
50~64歳
21.8 68.0 1,480
20.7 53.8 1,100
65~74歳
21.6 65.0 1,280
20.7 52.1 1,080
74歳以上
21.5 60.0 1,290
20.7 48.8 1,010

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(2019年12月)

<基礎代謝量の計算式>
基礎代謝量=基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日)×参照体重(kg)

例えば、40歳の女性の基礎代謝量は、下記のようになります。

21.9(kca/kg体重/日)×53.0(kg)=1,160.7(kcal/日)

つまり、40歳の女性は1日あたり約1,160kcalのエネルギーとそのほかの活動に必要なエネルギーを、食事から摂取しなければなりません。

ただし、健診などで「肥満」と診断されている人は、身長から標準体重を算出し、標準体重をもとに基礎代謝量を算出する必要があります。
標準体重の計算式は下記のとおりです。

<標準体重の計算式>
標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22

この数値を基礎代謝の計算式に使用します。
例えば、身長160cmの人の標準体重は、下記のようになります。

1.6(m)×1.6(m)×22=56.32(kg)


基礎代謝量に影響を与える要素

基礎代謝量の概算値はここまで説明した基礎代謝基準値と前項の式で求められますが、実測値は年齢や性別、身長・体重まで同じであっても、人によって異なります。これは、体格や身体活動レベル、ホルモンなど、多様な要素が基礎代謝量に影響を及ぼすためです。
基礎代謝量に関係する因子はさまざまですが、ここでは代表的な8つの要素をご紹介します。

体表面積

体表面積とは、体の表面の総面積のことです。体表面積は容易に測定できる数値ではありませんが、恒温動物の基礎代謝量は体表面積にほぼ比例するとされ、人間の基礎代謝量とも密接に関係していると考えられています。
体表面積が広いと、それに比例して放熱量も多くなるため、基礎代謝量が高くなります。

年齢

年齢が若いと、成長などによって体内の代謝が活発になります。
そのため、基礎代謝量も年齢が若いほうが高くなります。

性別

男性と女性でも基礎代謝量は異なります。一般的に女性より男性のほうが代謝に大きく影響する筋肉量などが多いため、基礎代謝量も高くなります。

体格

性別の項目でふれたとおり、筋肉量は代謝と密接な関係があるため、脂肪が多い人よりも筋肉量が多い人のほうが基礎代謝量は高くなります。
筋肉が多い人の基礎代謝量は、一般的な計算式で算出される数値から多少補正して考える必要があります。

体温

基礎体温が高い人と低い人では、高い人のほうが基礎代謝量も高くなります。これは、体温が高い人のほうが皮膚からの放熱量が多いためです。体温が1℃上昇するごとに、代謝量は13%増加します。

ホルモン

甲状腺ホルモン・副腎髄質ホルモンの分泌量も代謝に影響します。これらのホルモンの分泌量が多いと代謝が活発になるため、基礎代謝量も高くなります。

季節

通常、夏は基礎代謝量が低く、体が体温を上げようとする冬になると高くなります。
また、季節の影響を受けやすいか否かは、脂肪の摂取量と関係しているといわれており、脂肪の摂取量が少ないほど季節の影響は大きくなります。

月経周期

女性の場合、エストロゲンなど女性ホルモンの分泌量が変わることによって基礎体温が変わります。
そのため、月経が始まる2~3日前の高温期に基礎代謝量は最高になり、月経が始まると最低になります。


基礎代謝量が高いとどうなる?

1日の総エネルギー消費量は、基礎代謝量(約60%)、食事誘発性熱産生(約10%)、身体活動量(約30%)の3つに分けられます。基礎代謝量は全体の半分以上を占めていることから、基礎代謝量が高まれば1日のエネルギー消費量が増えることがわかります。
つまり、基礎代謝量が高いことは、じっとしていても消費されるエネルギー量が多いことと同義であり、太りにくくやせやすい体を作るのに役立つといえるでしょう。

基礎代謝量を上げる方法

基礎代謝量が高いと、食事から摂取したエネルギーを安静にしていても消費できるようになり、1日に消費する総エネルギー量が増加して健康的な体重を維持できることがわかりました。
では、どうすれば基礎代謝量を高めることができるのでしょうか。

基礎代謝量には前述した8つを中心にさまざまな要素が関係していますが、年齢や性別、ホルモン、季節、月経周期といった要素は、自分の努力で変えられるものではありません。
そこで、注目したいのが体格です。トレーニングをすれば、筋肉量を増やし体格を整えることができます。適度な運動で筋肉量を維持すれば、基礎代謝量の減少予防やエネルギー消費量の維持が期待できます。


基礎代謝量を上げるための効果的な運動

基礎代謝量を上げるには、筋肉量を増やすことがポイントです。
ここからは、簡単に実践できる基礎代謝量アップの方法を3つご紹介します。

レジスタンストレーニングをする

レジスタンストレーニングをする

筋肉量の増加を目指すトレーニングを、「レジスタンストレーニング(レジスタンス運動)」といいます。レジスタンストレーニングは、筋肉にレジスタンス(抵抗)をかける動作を反復する運動で、ダンベルやゴム製のチューブ、マシンなどの器具を用いる方法と、腕立て伏せなど自分の体重を用いて行う方法があります。
負荷量を調整できるため、運動経験がない人や高齢の人でも取り組みやすいトレーニングだといえるでしょう。10~15回程度の回数で、1~3セット行うと効果的です。
レジスタンストレーニングには、下記のようなものがあります。

・腕立て伏せ
腕立て伏せは、上腕や胸の筋肉を鍛える運動です。肩幅と同じ幅で床に手をつき、腕を床に対して垂直にします。
肩からかかとまでをまっすぐに保ったまま、ひじを外側に曲げて上体を床に近づけ、腕をゆっくり伸ばして元の姿勢に戻ります。

・スクワット
スクワットは、家の中で簡単にできる運動ですが、正しく行うとウォーキングよりも運動量が大きく、基礎代謝アップに効果的です。反動をつけずにゆっくりと、しゃがんで立ち上がる動作を繰り返しましょう。
椅子に座った状態から足を肩幅に開いてゆっくりと立ち上がり、股関節を曲げるようにして椅子に腰を下ろす方法でも構いません。

・つま先立ち
つま先立ちは、ふくらはぎの筋肉を鍛える運動です。両足を床につけてまっすぐに立った状態からかかとを浮かせてつま先立ちになり、ゆっくりと上げたり下ろしたりします。

・もも上げ
もも上げは、太ももを交互に引き上げる運動で、歩く動作に必要な太ももの筋肉を鍛えることができます。
座って行う場合は、前かがみにならないよう背筋を伸ばします。立って行う場合は、ももが低いと単なる足踏みになってしまうので、しっかりと上げるようにしてください。

有酸素運動

レジスタンストレーニングだけでなく、ウォーキングや自転車、ジョギングといった有酸素運動も取り入れましょう。
こうした適度な運動で筋肉量を維持すると、年齢を重ねても基礎代謝量が著しく低下せず、エネルギー消費量も維持できます。

普段の生活で活動量を増やす

筋肉量を増やすための運動は、1回の時間が短くても継続すれば効果が期待できます。例えば、1日に取れる時間が10分なら、その10分で少し走ってみたり、早歩きで散歩してみたりするだけでも構いません。
普段の生活の中で、少し行動を工夫するだけでも筋肉は鍛えられます。買い物の際に少し速く歩く、エレベーターではなく階段を利用するといった工夫も効果的です。


基礎代謝量を上げるには食事も重要

基礎代謝量を上げる際には「適正体重」を意識し、食事にも気を配る必要があります。
適正体重とは、「肥満」でも「やせ」でもなく、健康を維持する上でちょうど良い体重のことです。適正体重を判断する上では、肥満や低体重(やせ)の判定に使われる国際的な体格指数BMIが役立ちます。
BMIは、下記の計算式で求められます。

<BMIの計算式>
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

エネルギーの摂取量と消費量を減らして体重を維持しても、健康的に体重を維持したことにはなりません。エネルギーの摂取量と消費量が等しければ、体重は変化せず適正なBMIが保たれます。
厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(2019年12月)の「目標とするBMIの範囲」は、下記のとおりです。
このBMIを参考に、過不足のないエネルギー摂取を目指しましょう。

■目標とするBMIの範囲(18歳以上)

年齢 目標とするBMI
18~49歳 18.5~24.9
50~64歳 20.0~24.9
65~74歳 21.5~24.9
75歳以上 21.5~24.9

食事の内容では、筋肉トレーニングや健康的な体づくりに役立つたんぱく質を意識的にとることをおすすめします。
たんぱく質はほかの栄養素から体内で合成できないため、食事での摂取が必要です。


たんぱく質量を調整した冷凍宅配弁当も活用しよう

食事からたんぱく質をとることはとても重要ですが、毎回の食事でたんぱく質量を計算するのは手間がかかります。
たんぱく質を確実にとりたい方は、体力や筋力の維持にフォーカスした冷凍宅配弁当を利用してみてはいかがでしょうか。ニチレイフーズダイレクトの「 パワーデリお試し4食セット 」は、主菜と副菜のセットで、たんぱく質が25g以上含まれています。「パワーデリ」を食べれば、厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」における、たんぱく質の摂取推奨量の4割を摂取できます。
電子レンジで加熱するだけで食べられるので、忙しい人や料理が苦手な人でも手軽にたんぱく質量を調整することが可能です。

ニチレイフーズダイレクトの冷凍宅配弁当については、下記のページをご覧ください。


トレーニングと食事で基礎代謝量をアップ!

年齢を重ねても健康であり続けるには、太りすぎずやせすぎないことが重要です。基礎代謝量を高めてエネルギーを燃焼しやすい体を作るとともに、必要なエネルギーをしっかり摂取して理想のBMIを維持しましょう。
忙しくても栄養バランスの良い食事をとりたいときには、たんぱく質量を調整した食事を手軽にとれる冷凍宅配弁当の活用をおすすめします。


基礎代謝量の計算方法は?
平均的な基礎代謝量は、「基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日)×参照体重(kg)」で計算できます。例えば、40歳の女性の場合、基礎代謝基準値は21.9kcalで参照体重は53.0kgなので、基礎代謝量は「21.9kcal/kg体重/日×53.0kg=約1,160kcal/日」です。
基礎代謝量を上げるには?
筋肉量を増加させると、基礎代謝量を上げることができます。筋肉量を増加させるには、腕立て伏せやスクワットといった動作を反復するレジスタンストレーニングが有効です。また、有酸素運動や普段の生活で活動量を増やしていくこともおすすめです。

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