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一人暮らしを始めると、気になるのが食生活の乱れからくる野菜不足です。「実家暮らしの頃に比べて、野菜の量と質が減った」と感じている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、一人暮らしで野菜が不足する理由を踏まえて、その解消方法と野菜を使った簡単なレシピをご紹介します。
一人暮らしで野菜が不足する理由
一人暮らしになると、どうして野菜が不足するのでしょうか。主な理由をご紹介します。
食事回数が減る・外食が増える
一人暮らしになると、すべての家事を自分で行う必要があります。勉強や仕事で忙しいと、バランスの良い食事を作るどころか、自炊のために買い物をする時間自体が取れないこともあるでしょう。
すると、どうしても外食に頼ったり、食事回数を減らしたりしがちです。蕎麦やラーメン、丼物といった手軽にとれる食事では、おなかは満たされても野菜はほとんどとれないこともしばしば。
また、いっしょに食べる人がいないことで食欲がわかず、だんだん食事がおろそかになる人もいます。「忙しいから朝ごはんは食べなくていいや」「どうせ一人だし、夜は簡単に済ませよう」といったことの繰り返しは、野菜不足を招く要因のひとつです。
好きなものばかり食べてしまう
一人暮らしでは、自分の食べたいものを、食べたいときに食べることができます。極端にいえば、おやつをごはん代わりにしても、野菜を食べなくても良いわけです。好きなものを好きに食べられる環境を幸せだと感じる人もいるのではないでしょうか。
しかし、当然ながら、好きなものばかり食べていては栄養が偏ります。自由を満喫した後はしっかり自制してメリハリのある食生活を心掛けないと、野菜不足も深刻化してしまいます。
自炊のバリエーションが少ない
一人で食べる食事にどれだけ手間暇をかけるかは、料理が好きかどうかによっても異なります。料理が苦手だと自炊をする気にならず、たとえ自炊しても調理が簡単な丼や麺など、簡単にできる1皿完結型になることが多いでしょう。
また、どんなに料理が好きでも、毎食バリエーションを用意するにはたくさんの食品を購入しなくてはならず、買い物の負担や使いきれずに余ってしまう心配からメニューが限定的になる傾向があります。
野菜不足を解消する方法は?
一人暮らしになって野菜が不足している自覚がある場合、どのように野菜不足を解消すれば良いのでしょうか。ここでは、3つの方法をご紹介します。
必要な野菜の量を知り、手軽な調理法で摂取量を増やす
まずは1日に必要な野菜の量を知り、現在の野菜摂取量を客観的に見直す必要があります。
厚生労働省が発表した21世紀における国民健康づくり運動「健康日本21」によれば、成人が1日にとるべき野菜の目標量は「1日に350g以上(うち、120g以上を緑黄色野菜で)」と定められています。これは、成人の男女ともに同じです。
しかし、2019年の厚生労働省「国民健康・栄養調査」の野菜類平均摂取量は成人男性で288.3g、女性で約273.6gと、いずれも目標に達していません。目標値に対する摂取量から不足分を考えると、ほうれん草のおひたしの小皿1~2皿分程度が不足していることになります。
野菜不足を解消するには、サラダや酢の物、おひたし、煮物など、野菜が主材料の小鉢(70g)を1回の食事につき1皿以上食べることが望ましいとされています。といっても、毎食副菜をしっかり作ろうとすると、とたんにハードルが上がってしまうのではないでしょうか。
そこで、おすすめしたいのが、簡単な食べ方を覚えることです。一人暮らしでも取り組みやすい食べ方には、下記のようなものがあります。
・そのまま食べる
洗ってそのまま食べられる野菜は、調理が苦手な人や時間がない人におすすめです。きゅうりなら1本、ミニトマトなら6個で約100g、キャベツなら2枚で約70gになります。
・野菜スティックにして食べる
きゅうり、にんじん、大根などを細長く切った野菜スティックも、「手軽に食べられる野菜料理がもう一品欲しい」ときに便利です。複数の野菜を使えば彩りが良くなって、食欲をそそる効果もあります。
・スープにする
冷蔵庫にある余り野菜や冷凍野菜でスープを作ると、生野菜よりもカサが減るので食べやすく、腹持ちも良くなります。洗い物を減らしたいなら、マグカップに冷凍野菜を入れて電子レンジで加熱し、市販のスープの素と熱湯を入れるだけでも立派な一品になります。
・鍋物にする
野菜をたっぷりとれる簡単な料理の代表格といえば鍋物です。大きな鍋に白菜やきのこ類を入れ、肉や魚といっしょに煮込むだけでも立派な鍋物になります。一人用の鍋つゆや鍋の素を使うと、調理初心者でも簡単に味が決まるのでおすすめです。洋風カレー鍋や和風ちゃんこなど、味付けに工夫をすると飽きずに楽しめます。
日持ちする野菜を買って使い回す
野菜を買うときは、短期間で使いきる必要があるものなどより、日持ちがするものを多めに買って使い回せば、一人暮らしでも無駄なく野菜を使いきることができます。例えば、玉ねぎ、にんじん、大根などがおすすめです。保存をする際には、下記を参考にしてください。
・玉ねぎ
玉ねぎを丸のまま保存する場合、キッチンペーパーに包んで風通しの良い冷暗所に置けば1~3ヵ月の長期保存が可能です。カットしたものはラップにきっちり包み、保存袋に入れて野菜室へ。低温に弱いため、野菜室が冷えすぎる場合はキッチンペーパーに包んで保存袋に入れます。
・にんじん
泥付きのにんじんの場合、泥は落とさずにキッチンペーパーに包んで冷暗所へ置くと長期保存できます。スーパーなどに売っているにんじんの場合は袋から出し、軽く洗い水気をしっかりと拭きます。キッチンペーパーに包んでポリ袋に入れ立てて保存すると、2~3週間しおれずに保存可能です。加工して保存する際は、乱切りなど食べやすい大きさに切って水気を取り、冷凍保存袋に入れて冷凍します。
・大根
大根は、葉や茎をつけたままだと、水分が葉に奪われてしまいます。購入後は、すぐに葉や茎と根を切り分けましょう。葉の部分は湿らせたキッチンペーパーに包んでなるべく立てて野菜室へ入れ、早めに使ってください。根の部分はビニール袋などに入れて野菜室に入れれば、4~5日は保存できます。
冷凍保存を活用する
野菜は冷凍保存しても、便利でおいしく食べられます。冷凍できるものはできるだけ冷凍で保存すると、保存期間が長くなり、1回の食事で使う野菜の量が少ない一人暮らしでも安心です。野菜が安いときに多めに買って、正しい方法で冷凍しましょう。
冷凍できるものは限られていると思われがちですが、実は葉物やきのこなど、ほぼ何でも冷凍することができます。冷凍保存のポイントは下記の5つです。
<野菜を冷凍保存する際のポイント>
・購入してすぐ、新鮮なうちに冷凍する
・水気は拭き取り、カットできるものはカットしてから保存する
・中身は薄く平らにする
・金属トレイがあればそれを使って急速冷凍する
・解凍せずそのまま調理する
一人暮らしにおすすめの簡単野菜レシピ
ここからは、一人暮らしの人におすすめの簡単野菜レシピをご紹介します。余った野菜の冷凍保存方法も併せてご紹介しますので、「いつも野菜が使いきれない」という方は参考にしてみてください。
甘みたっぷり!「丸ごと玉ねぎのレンジ蒸し」
常温でも保存がきく玉ねぎは、野菜不足解消の強い味方です。加熱すると甘みが増すので、炒め物やスープを旨みたっぷりに仕上げてくれます。使いきれないときは、下処理をして冷凍保存することができます。
今回ご紹介するのは、玉ねぎを丸ごと使ってレンジで蒸すだけのレシピです。
<材料(1人分)>
玉ねぎ…1個(200g)
バター…5g
ポン酢…適宜
かつお節…適宜
<作り方>
1. 玉ねぎは上下を切り落とし、上下に十字の切り込みを入れる。
2. 「1」を耐熱皿にのせ、ふんわりとラップをかけて、電子レンジ(600W)で3分(冷凍した玉ねぎの場合は4分)加熱する。
3. 冷めないうちにバターをのせ、ポン酢、かつお節をかける。
玉ねぎの皮をむいたら、簡単に包丁を入れるだけなので、時間がないときや料理が苦手な方にも最適。
皮むきと切り込みまで済ませて丸ごと冷凍した玉ねぎを使う場合、より調理工程を短縮できます。その際の加熱時間は4分です。
玉ねぎが大量に手に入ったら、丸のままか使いやすい大きさに切って冷凍保存してください。
・丸ごと冷凍
玉ねぎの皮をむいて上下を切り落とし、上下に十字の切り込みを入れてラップに包み、冷凍保存袋に入れて冷凍します。
・切って冷凍
玉ねぎをくし切り、薄切り、みじん切りなどにして、冷凍保存袋に入れて冷凍します。
出典:ほほえみごはんⓇ「 【玉ねぎの冷凍保存方法】調理がラクになる時短テク!冷凍保存のメリットとは? 」
電子レンジでお手軽に!「大根の煮物」
大根は、千切りにしてサラダに、そのまま切って野菜スティックにと、使い回しやすい野菜のひとつです。
煮物も大根を使ったメニューとしてはスタンダードな一品で、老若男女問わず好きな人が多いレシピでしょう。ただ、時間がかかるイメージがあって、忙しい一人暮らしではなかなか作りにくいかもしれません。
そこで、電子レンジで本格的な煮物ができるレシピをご紹介します。
出典:ほほえみごはんⓇ「 「大根だけ」で作れる副菜5選。作り置きできてお弁当にもおすすめ! 」
<材料(2人分)>
大根…3cm
[A]
水…大さじ3
酒・醤油・みりん…各大さじ1
砂糖…大さじ2分の1
和風顆粒だし…小さじ2分の1
ゆずの皮(好みで)…適量
<作り方>
1. 大根は皮をむいて1.5cmの厚さの半月切りにし、両面に格子状に切れ目を入れる。
2. 耐熱容器に[A]を入れて混ぜ、「1」を重ならないように並べる。
3. ふんわりとラップして電子レンジ(600W)で2分30秒加熱する。一度、取り出して上下を返し、ふんわりとラップをして電子レンジでさらに2分30秒加熱する。
4. 取り出してラップをしたまま10分程置き、味を染み込ませる。器に盛り、好みで千切りにしたゆずの皮をちらす。
大根の煮物というと、鍋でコトコトと長時間煮るイメージがありますが、レンジを使えば洗い物も手間も半減。ごはんにもお酒にも合う味付けで、軽く汁気を切ればお弁当にも入れられます。一人暮らしでつい食事量が少なくなりがちな方は、こうした副菜を活用してバランスの良い食事を目指しましょう。
なお、大根は冷凍保存が可能です。「大根を1本買っても、使いきる前にしなびてしまう」「いつの間にかスカスカして、おいしくなくなっていた」といった経験がある方は、冷凍保存を活用すれば無駄なく使いきることができます。
冷凍保存には、下記の3つの方法があります。
・用途に合わせて切って保存
味噌汁用に短冊切りやいちょう切り、煮物やおでんなら輪切りといったように、用途を考えた上で大根を切って冷凍保存します。冷凍すると繊維が壊れ、短時間で味が染みます。
・下味をつけて保存
ドレッシングや甘酢などで下味をつけて大根を冷凍保存すると、解凍するだけでサラダや漬け物として立派な一品に。
・すり下ろして冷凍
時間があるときにまとめて大根をすり下ろして冷凍保存しておくと、食べるたびにすり下ろす必要がなくなります。
出典:ほほえみごはんⓇ「 大根は「冷凍保存」で、ムダなく大量消費が正解! 」
トマトの酸味がアクセントに!「ほうれん草とトマトのコンソメスープ」
栄養バランスに優れているとして人気の緑黄色野菜、ほうれん草。おひたしにしても、洋風にバター炒めやキッシュにしてもおいしく食べられます。
今回は、トマトもいっしょに食べられて、彩りも良い一品をご紹介します。ウィンナーが入って食べ応えがある上、固形スープの素を使えば時短調理が可能。忙しくても、しっかり栄養をとりたい朝にぴったりです。
<材料(2人分)>
ほうれん草…3分の1束(約65g)
ウィンナー(1cmの厚さの輪切り)…2本分
ミニトマト(ヘタを除いて半分に切る)…8個分
[A]
水…400ml
固形コンソメ…1個
塩・こしょう…各少々
<作り方>
1. 鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩少々(分量外)を入れ、ほうれん草をさっとゆでる。ザルに上げ、4~5cmの長さのざく切りにする。
2. 鍋に[A]を入れて中火にかけ、煮立ったらウィンナー、ミニトマトの順に加えて煮る。
3. ひと煮立ちしたら「1」を加え、塩・こしょうで味をととのえる。
葉物類はすぐにヘタってしまうイメージがあるため、一人暮らしでは購入を迷ってしまうかもしれません。仕送りしてもらった葉物類がすぐにしなびてしまって、悲しい思いをした方もいるのではないでしょうか。
ほうれん草は乾燥に弱く日持ちしにくい野菜ですが、冷凍なら長期保存が可能です。
・生のまま冷凍
まずはほうれん草を洗って水気を拭き取り、3~4cmの長さに切ります。次に切ったものを小分けにし、冷凍保存袋に入れて冷凍保存します。生のまま冷凍すると手間がかからず、風味も落ちません。
・ゆでてから冷凍
ほうれん草を洗って硬めに下ゆでし、氷水に取って色止めしたものを、水気を絞って3~4cmの長さに切ります。切ったものを小分けにラップで包み、冷凍保存袋に入れて冷凍保存します。下ゆでしているため、甘みがありやわらかな食感です。
出典:ほほえみごはんⓇ「 【ほうれん草の冷凍保存】1ヵ月もつ!鮮度・風味を保つテクニック 」
冷凍宅配弁当も活用しよう
買い物をする時間もないし、自炊するのも大変…。そんなときでも手軽に栄養バランスを整えるには、冷凍宅配弁当の活用がおすすめです。
ニチレイフーズの冷凍宅配弁当「 きくばりごぜんⓇ 」なら、1食で野菜を100g以上とることができます。しかも、全品がカロリーは300kcal以下、食塩相当量は2.0g以下。肉や魚など豊富な主菜に、味付けにこだわった副菜を数品組み合わせたバランスの良い食事がとれます。初めての方向けのお試し4食セットもあるため、味や量が気になる方も気軽に試すことができます。
きくばりごぜんⓇについては、下記のページをご覧ください。
調理方法や保存方法を工夫して、野菜をしっかりとろう
一人暮らしでも、調理方法や保存方法を工夫すれば、簡単においしく野菜をとることができます。手間をかけずに野菜の摂取量を増やすには、できるだけ保存がきく野菜を買うこと、冷凍できるものは冷凍しておくことがポイントです。
「健康のために自炊をしなければ」と思いつめたり、張り切りすぎたりすると疲れてしまうかもしれません。冷凍宅配弁当を活用しながら、無理せず野菜を取り入れて、健康的な食生活を続けましょう。
- 1日に必要な野菜の量はどのくらい?
- 厚生労働省が発表した21世紀における国民健康づくり運動「健康日本21」によれば、成人が1日にとるべき野菜の目標量は「1日に350g以上(うち、120g以上を緑黄色野菜で)」と定められています。
- 野菜不足を解消する方法は?
- 野菜不足を解消するには、サラダや酢の物、おひたし、煮物など、野菜が主材料の小鉢(70g)を1回の食事につき1皿以上食べることが望ましいとされています。